第25話

「 “儂は神ぞ” だって、ぷーくすくす


自分が神様とかぷぎゃー


どんだけイタイ子だし」


「漢字が違う!!


わしが神とは一言も言っておらん!


和紙が紙なのだ!!」


「和紙が紙なんて、誰でも知ってるっつーの


そんな事知ってるくらいで威張んなし


学のないヤツだってバレんぞ」


「お主が言わせたんじゃろうが!!?」




いきなり、いきり立った魔王(仮)な幼女は無詠唱のダークボールを打ってきた


さすがに魔王を自称するだけあって、無詠唱のくせに

常人が詠唱した時の10倍以上の威力とスピードがあった


だが、彼はいとも容易くそれを捌ききる


それが彼が 勇者 たる所以なのだろう


何とも納得出来ない気もしないではないのだが…




「………な…っ!?」


「何驚いてんだよ


四天王倒してきたんだから、それなりに実力くらいあるに決まってんだろ?」




そう言って彼は魔王(仮)な幼女の背後に立つ


幼女が気付いた時にはもう遅い


彼(勇者←)はもう鍋に手をつけていた




「いっただっきまーす♪」




そう言って、高級肉を頬張った彼(勇者←)




「な………ぁっ……わ…、わしの肉……!!」




幼女(魔王 仮)の悲壮な悲鳴が城内に響き渡った




「おっ、この肉うめぇなぁ」


「おおおお主!


ななな、何を勝手にわしの肉を食しておるのだっ!!」




悲壮感漂う声で叫ぶ幼女(魔王 仮)




「んぁ?


だって早く食わねぇと冷めちまうだろ」


「そうじゃが、これはわしの肉じゃ!」


「あ?


………とりあえずお前も食えば?


俺も鍋、食いたかったんだよねー」




ヘラリと笑いながら言った彼(勇者←)


それに頬を朱くした幼女(魔王 仮)




「………ふ、フンッ


お主がどうしてもと言うのなら……」

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