じゅーご
鍋
第24話
「あー、クソだりぃ
なんで俺が魔王討伐とかしなきゃなんねーかなぁ」
魔王城の四天王を倒し、最後の扉まで人類史上初、到達した男はそう呟いた
その男の全てが 面倒臭い 、 嫌だ と表していたが、彼は間違いなくこの世界の 勇者 だった
とても そう には見えないが…
「……しゃーねぇ…
さっさと魔王とやらを倒して昼寝でもすっかなぁー…
………ぁ、いや、やっぱ鍋食いたいかも…
うん、そーしよ
昼寝の前に鍋食お、鍋」
季節は冬
確かに温かいものが食べたい事もわかる
が、とても、魔王と戦う直前とは思えない程
呑気で間抜けな言葉達だったが、 鍋を食べる という目的が出来たからか、彼の瞳にはさっきよりもやる気が見てとれた
どうせなら違う理由でやる気を出して欲しかったのだが……
まぁ、これが彼の性格なのだろう
…と、思う
彼は緊張感など皆無に魔王への最後の扉を開いた
「テッテレー!(裏声←)
俺様が魔王討伐に来てやったゼ☆キラッ」
キラッとポーズまでとって言った彼の動きがそこで止まった
「……………………あ……」
「………なして、こんな処(魔王城)で幼女が鍋食ってんだし」
そう、彼の動きが止まったのは全てこの鍋を食べていた幼女のせいである
「………な…っ!!
…ぶ、無礼な!
わしはこの城の主、魔王ぞ!!
わしがわしの家で何を食そうが、わしの勝手じゃろ!」
まぁ、論理的には至極真っ当な応えだったが、相手が悪かった
「……え?
コレが魔王?
こんな幼女が……?
………つーか、わしわしうぜぇ
そんなに和紙が食いたいなら買ってこい」
「幼女言うな!!
わしは幼女ではないし、和紙を食したい訳ではない!!
和紙は紙ぞ!
食せる訳なかろう!」
最後らへんは何故かドヤ顔で、ない胸をはりそう言った魔王(仮)
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