じゅーよん

What I ...?

第23話

そうだ


“例えば” の話しをしよう



僕は 此処 に居て


君も 此処 に居る



僕は 僕 で


君は 君 だ



それは理解している


だが


君は何をもって 君 となる?




もう1つ “例えば” の話しをしよう



君は食事をするね


食事として食べられる それ は “自分ではないもの” だ


そして それ を食べて君は生きる


それは 君 と断言しても良いのだろうか?


“自分ではないもの” を取り込んで、吸収した君は、本当に 君 なのか?




そしてまた、もう1つ “例えば” の話しをしよう



君は食べたり飲んだりしたものを排泄するね


それ は君の身体を出たら 君 とは違うものと認識されてしまう


それ は果たして、正しいのだろうか?



君を 君 と位置付ける明確な証明なんて、何処にも在りはしないのだ


そんな僕達は不明瞭で、不明確な生き物だ




そんな僕は、ただ独り そこに居た


そこは暗く、何故か暖かいのに、心が寒い


全ての感覚を淑やかに壊していく それ は、僕を優しく包む


動くと、何かが僕を抑え付ける


そんな中で、僕は初めて 一筋の光を見た


僕はそちらへ向かって動く




―――痛い




ただ、ひたすらに痛かった


光に近付く度に、あの抑え付ける様な痛みは強まる


だが、僕は痛みに耐え、光を目指した




「おぎゃあ!!


おぎゃあ!!」




光の中に出ると、煩くなった




―――嗚呼、これが 僕 の声か…




そう理解して、僕は見た



優しそうな女性を




君は 何だい?


そして僕は 何 になった?

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