第2話:昆虫とエッチすればいいのよ。
私は今日もミスターの教員室にいる。
プライベートはミスターとマンションで暮らしていて大学ではミスターの教員室に
入り浸ってる。
ミスターの教員室はとってもキミの悪い部屋・・・彼は生物学者さんなんだけど
昆虫の研究なんかもしてたりするの。
部屋の中は昆虫の標本だらけ・・・。
ミスターのことは好きだけど、昆虫だけは好きになれない。
ああ、体が痒くなりそう。
「気持ち悪い部屋ですね」
「じゃ〜来なきゃいいだろ?」
「あのね、あまりここに出入りしてると怪しまれるよ、雨野君」
「あの、そろそろ雨野君っての、やめませんか?、できらた下の名前で
呼んで欲しいんですけど・・・」
「もう付き合い始めて1ヶ月経ちますよ」
「ずっと雨野君って呼ぶつもりですか?」
「他の女生徒の名前、呼んでるわけじゃないんだからいいだろ?」
「屁理屈・・・」
「僕が雨野君って呼ぶ理由を雨野君は分かってないからそういうこと言うんだよ」
「なんですか?理由って」
「普段から、君を雫って呼んでたら大学でもふっと雫って呼んじゃうだろ」
「絶対、呼んじゃうよね」
「他の生徒を苗字で呼んでるのに雨野君だけ下の名前で呼んでたら?」
「さあ、みんなどう思うかな?」
「あ・・・そうか・・・それは考えませんでした」
「それからさ、雨野君、マンションでもずっと一緒にいるんだから大学にいる
ときくらいは、こんなところに来ないで真面目に学生してたらどうなの? 」
「僕のあとを金魚のウンコみたいについて来ないでさ・・・」
「金魚のウンコって・・・一緒にいたいってのは恋人として自然の行動じゃない
ですか」
「私がいたら迷惑ですか?」
「いや、そこまでは言ってないけど・・・」
「ん〜こういうのは精神的に良くないね」
「なにがですか?」
「いつ僕たちの関係が大学中にバレやしないかって思うとさ・・・」
「私は別にバレたっていいですけど、だって悪いことしてないんですもん」
「不倫でもないし・・・援交でもなし・・・」
「大人としての、筋の通った恋愛でしょ」
「雨野君、甘いね〜」
「バレたら、みんな雨野君はパパ活してるって思うよ・・・間違いなくね」
「親子くらい歳離れてるだから・・・」
「雨野君のそのイケイケな性格なら、ありえるってみんな思うよ」
「あ〜私、ミスターのマンションに転がり込んでますしね・・・」
「って言うか・・・もう1ヶ月も一緒に暮らしてるのになんでミスター私を求めて
来ないんですか? 」
「なんてこと言ってんの、雨野君・・・」
「ゴキブリが飛んできて服にへばりついた時くらいの驚きの発言だよ」
「驚くような発言ですか?、今時プラトニックなんて流行りませんよ?」
「私ってミスターのなんなんですか?」
「付き合ってって言われて、いいよって言ったんだから、そりゃ雨野君は僕の
彼女・・・つまり恋人? 」
「それなのに、ちっとも誘ってくれないし・・・」
「いろいろ忙しくてね・・・」
「なに言ってるんですか・・・マンションにいてもテレビ見てボーッとしてる
ことあるじゃないですか・・・私をベッドに押し倒すチャンスいっぱいありますよ」
「私から逃げてるだけじゃないですか?」
「あ、分かった・・・気の毒がったりしませんから白状してください」
「考えたくないですけどミスター・・・もしかしてEDとか?」
「なにをバカなこと言ってんのかな、雨野君」
「EDって・・・朝、起きた時、こんなに元気だよって僕のボクちゃんがちゃんと
自己主張してくれてるよ」
「じゃ〜なんでですか・・・私、そんなに魅力ないですか?」
「ん〜どっちかって言うと昆虫のほうが魅力的かな」
「もうバカミスター!!、昆虫とエッチすればいいのよ・・・」
「お〜できるもんならしてみたいけど・・・」
「もう、憎たらしい!!偏屈虫おやじ〜」
「雨野君、知ってる?、カマキリのオスって交尾したあとどうなるか?」
「え?カマキリ?」
「カマキリのオスってね、交尾が終わったらメスに食べられちゃうんだよ、
生きたまま・・・」
「この上なく残酷で美しい夫婦愛だと思わない?・・・」
「でもね僕、まだそうなりたくないんだよ」
「はあ?・・・・私、カマキリのメスじゃありません!!」
「わ〜その両手がカマキリのカマに見える、雨野君・・・」
つづく。
※カマキリの名誉のために申し上げておきますが、交尾を終えたカマキリのオスが、メスに食べられることは確かにあるそうです、ですが、それは25%程度なんだそうで多くのオスは食べられずに逃げてるそうです。
どちらにしても命がけの交尾には違いありませんけど。( ^ω^ )
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