第37話 お泊まり会



 

「……ね、ねぇ。ほんとうに今日は帰るの? 別にここに泊まってくれていいんだけど? それに、外も暗いし危ないと思うよ? いっそのこともう泊まっていけば?」



 夜、たこ焼きパーティの後片付けを終えて帰ろうとする俺と真由に対して引き止める麗華。


 確かに明日は日曜日だし、ここに泊まってしまっても問題はないが、男の俺が泊まるのないだろう。


 それに、ここで泊まってしまうと雛乃が言っていた展開通りになってしまうし、何より雛乃の反応が怖い。


 というか、こいつは年頃の男子を自分の家に泊めるのに抵抗感とかないのだろうか?


 

「いや、なに言ってるんだよ。親御さんにはどう説明する気だ?」


「今日は親は二人とも帰って来ないから大丈夫」



 マジかよ……いや、もしろ余計にダメだろ。



「そ、そもそも泊まる準備とか持ってきてないんだよ。お風呂とか入らないといけないし……」


「こんなこともあろうかと石橋用のバスタオルを準備してあるから大丈夫」



 え? 何で?



「あ、えっと服とかパンツとかないし」


「こんなこともあろうかと石橋のためにトランクスとズボンとTシャツも用意してあるから大丈夫」



 え? 何で?



「い、いやでもでも……寝る所がないからな。俺、布団じゃないと寝れないんだよな」


「こんなこともあろうかと石橋用の布団も用意してあるから大丈夫」


「何でだよ!?」


「泊まりになってもいいように事前準備は済ませてあるから」



 えぇ……なんで。


 ど、どうする……あと反論できる点は何か残ってないのか?



「いや、俺の準備が出来てきていても小日向の」



 あれ? そういえば真由は今日、大きめのカバンを持ってきていたな?



「小日向……ひょっとして今日って最初から泊まるつもりだったのか?」



 俺はギギギと真由をみるとそこには完璧な笑顔が。



「……石橋くん。今日は麗華ちゃんの厚意に甘えてもいいと思うの。夜道も危ないし……ね?」



 まさかの小日向真由。グルだった。



『ご主人! 冷静になって下さい! どうせなんだかんだ理由をつけてお泊まるとになって、それで夜になったら眠っているところに押しかけて……みたいな展開エッチな漫画でよくあるやつです!』

 



 やっぱ、雛乃さんってすげーや……

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