紅白まんじゅう

昔から和菓子が好きな子どもだった。

というか生クリームがあまり好きではなかったのもあり、誕生日はケーキより、祖母が買ってきてくれる喜月堂の最中を楽しみにしていた。


(この喜月堂の最中、"あんこを挟んで閉じる"という最中の概念をぶっ壊すあんこの量なので、ぜひあんこ好きにはオススメしたい。)


さてそんな幼少期、私が通う小学校が百何周年かを迎え、全校生徒に紅白まんじゅうが配られた。今思うとなんて景気が良いんでしょう。

当時初めてお目にかかる、このめでたいピンクと白のおまんじゅう。味はいわゆる普通の薯蕷(じょうよ)まんじゅうなのだが、やはり特別感か、とびきり美味しく感じたものだ。

そして何より、大きかった気がする。大きかった分、生地は分厚め。外がぺったり、中はふかふか。生地フェチの私としてはそのボリューム感と食感、ほのかな甘みが、どストライクだった。


数十年経っても時々思う。

紅白まんじゅうが食べたい。


けれど紅白まんじゅうって自分で買うのはちょっと違う。なんかこう、やはり、みんなでお祝い的な感じで、貰いたい。

でもこのご時世、なかなか周年記念でまんじゅうを選ぶ企業、団体はなかなか無いかもしれない。(あんこ苦手な方もいらっしゃるしね。)


そう思うと、あの時もらった紅白まんじゅうの尊さが、さらに心に沁みるなあ。

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