第7話

「止めないで下さい。普通の人」



「誰が普通の人だっ」




普通だけどもっ。




「私達を許して、お姉ちゃん!!」



「こんな時だけ、お姉ちゃんときたっ」




いつもは自分がお姉ちゃん気取りなのにっ。




「お姉さん」



「違います」




あたしに鬼神の弟はいません。




「しかしっ、あたしはやるもんね!こうなったら既成事実だぁっ!えいっ!」



「だーーーっ!!」




このバカ妹!!




「いやんっ」




鬼神がくすぐったそうに身を捩る。



気持ち悪い!!



ちょっと油断した隙にアネモネが鬼神の角に触ってしまった!!




「ほぁーっ、以外と柔らかい!気持ち良い!」




サワサワサワ。



満面の笑みのアネモネ。




「マジで!?」




さ……触りたいかもっ。




「アネモネさん、ダ・イ・タ・ン」



「うふふ。気持ち良いの?鬼瑠さん」



「ああんっ。アネモネさ」



「止めーーいっ!!」




変な雰囲気になってきた所を引き剥がす。




「酷いですよ、お姉さん」



「そうよっヒマワリ!愛する二人を引き剥がすなんてっ。鬼!!」



「鬼はソイツだ!!」




もう敬語も吹っ飛ぶ。




「「あっ」」




やだ、鬼瑠さんってば、アネモネさんこそなんて胸の辺りをつつきあってる二人。



マジかー。


えーマジかー。


本気!?




「アネモネ、私の可愛い妻」



「鬼瑠さん、アネモネって呼んで」



「アネモ」



「止めーーいっ!!」




ブッブーッ



バスが来た。



ちょっとバスが来るまでの5分間で妹がよりにもよって鬼神なる者に恋したんですけどー!?



まさかの相手も乗り気なんですけどー!?




ドッキリ!?

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