第5話

まぁこの先、鬼神というものに会える機会など絶っっ対にないだろうからワクワクするのはわからないでもないけど。



もし会えたとしても、次はこんな人間っぽい鬼神かわからないし。


食べられるかも




「食べません」



「はい」



「大変なんですね、鬼神さんも。ご苦労様です」




しみじみ言うアネモネ。


いやいや、アンタわかってないだろ。




「わかって下さいますか、この苦労」




目を見開いてアネモネを見る鬼神。




「はい」



「お優しい」




……いや、ちょっと待って。


え?何この雰囲気。


見つめあう二人。




「あのっ」



再びアネモネが話しかける。


いくらファンタジー好きとはいえ、コイツ恐いものなしか?




「って、ちょっと何もじもじしてんの?トイレ?」




変にモジモジしてるからそう聞くと




「っっ」



「痛いっ」




頭をおもいっきり叩かれたのですが!?




「あのっ鬼神さんっ」




アネモネが呼びかけると




「鬼瑠とお呼びください」




頬を染める鬼神。



なんで!?


てか、KILL(殺す)!?


やややヤバいぞ、アネモネ!!




「その……角を触らせてもらえませんか!?」



「えっ!?」



「なぬっ!?」




因みに、なぬっ!?があたしである。


ビックリすぎて、それしか出なかった。




「それは……」




……何故だ、何故二人して真っ赤になってモジモジしている。


理解不能。




「すみません、貴女のお名前は……」



「あっ!私はっ」




私!?アンタいつも、あたしぃーとかだろう!?




「アネモネです」



「アネモネ……。綺麗な名前ですね、貴女にピッタリだ」




いやいや。




「そんな……」




今度はアネモネが頬を赤くする。




「「「……」」」




あたしのは聞かんのんかいっ。



いや聞かれても言わんけど(負け惜しみではない)

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