第4話
「「っっ」」
アネモネ共々息を飲む。
サラサラの黒髪にキツすぎるくらい斜に上がった赤い瞳。
日焼けを知らない真っ白な肌が黒と赤を惹き立てる、絶世の美男子だった。
……が
その額の真ん中には……
1本の"角"が生えていた。
「ふぉーっ!?」
絶叫するあたし。
「キリン?」
目を輝かすアネモネ。
「なんかそれだとあの首の長いキリンを思い出すからっ。麒麟にしてっ」
今テレビでもやってる!!
空想上の動物。
頭の上には1本の角が生え……
麒麟じゃん!!
「麒麟ではありません。鬼の神と書いて鬼神です」
「「あ、すみません」」
聞き間違えたあたし達は素直に謝る。
「「「……」」」
えっと……まぁこの人?が鬼神だとしよう。
角も瞳の色もめっちゃリアルだし……。
何より寒い?し……。
そんな鬼神が何故バスを待ってるのだ?
バビュンッとか、こう瞬間移動……
「出来ません」
「そうですか」
「「「……」」」
恐いっ。
食べられる!?
あたし達、食べられ
「食べません」
「はい」
「「「……」」」
「鬼神さん」
アネモネ!?
「鬼神さんは普段どこで暮らしてるんですか?」
何その質問。
「地獄です」
即答。
……あるのか地獄。
……マジで?
お?でもならば、天国も
「どうして、ここに?」
あっ、ピクッと鬼神の眉が凶悪にハネ上がる。
怒ってる!?
「お盆が終わるというのに戻らない亡者共の回収です」
わぉ、リアル。
……戻らないって。
色々想像してあたしは冷や汗が止まらないのに、隣のアネモネはもう、ワクワクしかしてないっ。
なんとか止めようにも、このファンタジー娘止まりゃしないっ。
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