第2話
相合い傘でバス停まで行く。
「ヒマワリのケチ」
「家に帰れば傘なんて山のようにあるんだから1本で十分でしょ」
そう、さっきのじゃんけんはどっちが傘を買うかの勝負だった。
victoryを信じチョキを出したのだがっ、奴の固く固く握られたグーに敗北したのだった……。
ぬぐぐ……。
そしてビニール傘を1本……
500円もした!!
高くない!?
を買って今に至るわけだが。
荷物を守るため(母が怖い)自然と荷物を真ん中になるように持つと、肩がね肩が濡れるわけで。
押しくらまんじゅうではないけど、互いの陣地を肩をぶつけ合いながら確保してたら、もう体半分は濡れまくっていた。
傘の意味とは……。
いつものバス停に到着。
あたし達の家は結構な山の中にある。
だから買い物はもっぱらバスを使う。
車を運転できるのは父だけだから。
その父は今日は仕事だ。
不幸にもこのバス停待合室がなく、ただバス乗り場と書かれた看板が立っているだけ。
私達以外待つ人はいない。
……なんだろう。
お盆最終日、8月も後半に入るとはいえ、まだまだバテるような暑さだ。
なのに、このバス停に来てからは寒い……と思う。
雨に濡れたから?
それにしてもこの鳥肌は……。
時刻表を見ると、乗るバスの到着は5分後だった。
微妙な時間……。
ムーッと時刻表を睨んでいたら
「ヒマワリ、ヒマワリ」
「何?バスは5分後……」
「そうでなく」
そうでなく?
グイグイと服の裾を引っ張るアネモネ。
伸びるっ伸びるがなっ。
「止め……ふぉっっ!!??」
裾を引っ張る手を叩こうとアネモネの方を見た瞬間。
変な声が出た。
いつの間にか……本当にいつの間にかアネモネの隣に人が立っていた。
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