第1話
ザー……
「「…………」」
雨が降ってる。
雨が降ってるよ!?
バッ!!と隣を見る。
あぅあー、なんて言ってポッカーンと大口を開け空を見上げてるのは、鏡を見てるかのように自分と全く同じ容姿の双子の妹アネモネ。
こんな名前だけど、れっきとした日本人である。
母が花が大好きで夏と冬の代表的とも言える花の名前をつけたのだ。
あたしの名前は
「ヒマワリ」
である。
「何?」
「雨降ってるね」
「見ればわかるがな」
「家を出る時には降ってなかったのにね」
「そうだね」
母に買い物を頼まれ、二人でスーパーまで来ていた。
本当は嫌だったけど、お釣りでお菓子を買って良いってのに負けた。
家を出る時にはピッカーンと晴天だったのにっ。
最近の天気はわからんっ。
「「傘……」」
同時に言い、同時に互いを見る。
もう……これでもかって程見慣れすぎてる顔。
「「あたしは持ってない」」
だよねー。
あの晴天で傘を持つ人はいないよね。
雨が止むまで待つ。
にしては……当分止みそうもない。
スーパーの軒下を占領するのも申し訳ない。
こうなれば
バッとエコバッグを持ってない方の手を同時に前に出す。
同じく雨宿りをしていた30歳くらいのお兄さんが突然の事にギョッとあたし達を見るが関係ない。
「「じゃんけんっっポンッ!!」」
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