第49話
俺は畜産に必要な知識を得るために養豚場にきていた。
写真を撮らせてもらい、ムービーも撮る。
餌を大量に分けてもらい育て方を教わる。
注意点をまとめて、これで問題ないだろう。
ダナから畜産関係の本をもらって収納する。
あとはこちらの肉関係を集めて回る。
味見してもらいそれに近づけて行けるようにするためだ。
「よし、これで大体整ったな」
整うまで三日かかったが、しょうがない。
あとは甘味も買っていく。
甜菜やサトウキビの苗も買って持っていく。
これが育つかはわからないがプリウがあれだけ食いついたんだから好みがあるだろうからな。
「米ができればいいが、また今度だな」
米が主食になればいいが、それは肉食の魔物には向いてないだろうしな。
全て揃えるのに時間はかかったがとりあえず80階層に行く事にする。
ダンジョン80階層。
魔王の間につくと魔王の前にいく。
「よお、魔王、久しぶりだな」
「おぉ、来たか」
魔王の目の前にいくと、
「お前何食ってんだ?」
「これは美味いな、もうないのか?」
とスナック菓子を食べていた。
「いや、あるにはあるが、食べ過ぎは体に悪いぞ?」
「まぁ、いいじゃないか、旨くて手が止まらんのだ」
「ハハッ」
魔王も新しい味に興味が湧いてきたのか。
スナック菓子を出してやる。
「それでプフはどうなっているんだ?」
「獣人達に任せておる。育てれば食われなくて済むからな」
「そうか、それはいい考えだな!なら俺は獣人達におしえればいいんだな!」
「できればスナック菓子も」
「それは無理だ、俺も創り方は知らないからな」
「ふむ、そうか」
「あ、奴隷はどうなった?」
「まぁ、連れてはきたが5体満足ではないぞ?」
「あぁ、治すから大丈夫だ」
「なれば上の階に行けばいい」
「分かった」
と上の階にいくと3人だけか。
酷いことをされていたようだ。
エリクサー擬きを使い体を直してやる。
「「ガアァァアァァァ」」
酷い怪我だったので治るのにも激痛だろうな。
「「「グァァアァア………」」」
ようやく喚き声がなくなり、力尽きたように寝てしまう。
『クリーン』を使い綺麗にすると布団をかけて寝かせておく。
「やった!ラッキー!!ねぇ!あの甘いのちょうだい?」
「お、プリウか、こいつらが起きたら飯を食わせてやってくれるか?」
「?いいわよ?お菓子で手を打ってあげる!」
俺はお菓子を出して3人が起きたら食うものと服を置いて76階層まで行く。
「おっ!やってるな」
プフを連れている獣人族がいる。
「は、はい、しかしこれをどうやって飼育すればいいか…」
「これを見ろ。こういう飼育小屋を作ってくれ」
「ほ、ほう、わ、わかりました!」
と言って獣人はどこかに行くと大人数で戻ってきた。
「申し訳ありません、さっきのをもう少し見せてもらえますか?」
「いいぞ、気の済むまでみてくれ」
「はい!」
獣人達は『ほぉ、ここがこうなって』『これなら』と小声で喋っているが図面をひきながら見ているので立派な豚舎が作れるだろう。
「ありがとうございます!これでプフを管理できます」
「それとこれを餌にするといい。これを保管する場所も作ってくれるか?」
「こ、こんなにですか!?は、はい!」
餌を大量に出しておいたからこれでプフも大きく育つだろ。
まぁ、豚の二倍ほどでかいプフにはこれ以上デカくなられても困るかもしれないがな。
あとは甜菜とサトウキビだが、
「畑を作っていたことのあるものはいるか?」
「はい!わたしは芋を植えております」
「ならこれも育ててみてくれるか?」
「これは?」
「甜菜とサトウキビだな。本を読めるものは?」
「い、います!」
「じゃあこの本を渡すので呼んできてくれ」
「はい!」
呼びに行ってる間に『異世界言語』のスキルボールを用意する。
「お待たせしました!」
「よし、それではこのスキルボールを割ってくれ」
「は、はい」
とスキルボールを割らせると、
「これが読めるか?」
「…はい!読めます」
「じゃあ君には本を与えるからこの作り方とプフの育て方の本を預ける。よく読んでみんなに伝えてくれよ?」
「分かりました!ありがとうございます!」
「よし!これであとは待つだけだな」
俺は79階層に戻ると獣人達に手を出さないようにキツく言って、80階層に降りる。
「どうだった?」
「まぁ、うまくいけば肉は出回るだろうな!」
「そうか!この菓子はどのようにして作るんだ?」
「んー、それはまた今度覚えてくるが、手間がかかるぞ?」
「よい!これは魔王国に必須である!どんなに手間を惜しんでも作るべきだ!」
「はぁ、分かった、調べとくよ。それで奴隷は連れてっていいんだな?」
「あぁ、いると食われるぞ?」
「そうだな。なら連れて帰るぞ」
79階層に戻り奴隷はどうしたか聞くと、隅っこに固まっていた。
「悪かったな、俺も人間だから安心してくれ」
とバングルを外す。
「あ、あぁ、助けていただきありがとうございます」
「いや、まだこれからだからな?それじゃあ外に行こうか」
「「「はい」」」
奴隷は女ばかり3人だ。男はさっさと食われるらしい。
80階層に降りて1階層へと戻る。
「あっ!ユウ!また増えた?」
「そうだな、増えた」
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