第46話
セシリア達は今日は10階層までで慣らしてきたようだ。
「久しぶりに体を動かしたよ」
「それは良かったな」
「やはり鈍っていたようだから、動かせてよかった」
カタリナはやはり戦士なだけあり、前衛だから体の感覚を取り戻しているようだな。
セシリアは聖女、ツクヨはクノイチでサヤカは魔法使いらしいので、まぁバランスの取れたパーティーだな。
イロハ達4人も帰ってきてもう50階層に到達したようだな。
レッドドラゴンから杖が出てきたとクリスが喜んでいた。
「これで私達もA級です!」
「おめでとう!」
3人ともがんばったな!
「おぉー。これでとうとう並ばれたな?」
「うるさいわね!いいのよ!パーティーなんだから!」
イロハもなんだかんだで嬉しそうだな。
「これはお祝いだな!どこに飯に行く?」
「「「「焼肉」」」」
「あはは、爺さんも呼ぶかな」
「うん!お爺さんのおかげでもあるし!」
『剣術II』になったのは爺さんのスキルボールだもんな!
とここでボロボロのヒロシが帰ってきた。
「『ヒール』どうした?」
「あ、あはは、なんとか20階層まで行きましたよ」
「ソロで?あのヒロシが?」
ヒロシは最近痩せてスッキリしている。それだけ頑張っているのだろう。
「よし!今日は焼肉だぞ?」
「ほ、本当ですか?やったぁ!」
焼肉屋に予約を入れて、爺さんに電話をすると『行く!』と言っていた。
ダナもそこにいたから一緒に行くことになった。
さて、俺もお祝い考えないとな!
女性用のレザーアーマーに伸縮魔法をかけ3人分用意しておく。
革はドラゴンの革を使っているからそれなりに防御も強いはずだ。
「お肉ぅー!!」
「これはドラゴンの肉です!」
「やったぁ!初めて食べる!」
「食べてみたかったんですよね!」
と焼肉店で焼肉を堪能していると、
「ジジイからはスキルボールをやろう!明日にでも見に来るといい」
「え!ほんと!」
「やった!」
「お爺さん大好き!」
「はっはっは!現金だな」
やっぱり爺さんはスキルボールだったか、被ったらつまらないしな。
「そんじゃ俺からだな!レザーアーマーだ。魔法がかけてあるから楽だぞ?」
「ユウがいつもきてるやつ?やった!」
「脱ぎ着が疲れるんですよね!これで解決です!」
「デザインも可愛い!ありがとう!」
と3人は喜んでくれた。
焼肉も終わり3人とヒロシは帰って居酒屋で俺、爺さん、イロハ、ダナでゆっくり飲んでいる。
セシリア達は今日は久しぶりに動いて疲れたようだ。ツクヨは残りたそうだったがな。
「それにしても早いわよね」
「そうだな、ついこの前B級に上がったと思ったらもうA級だもんな」
「いやいや、あんたがスキルボールあげるからでしょ?」
「まぁ、使いこなしたのはあの3人だからな」
なんだかんだで努力家なんだよな、
「まぁ、あの子達の力じゃ、祝ってやらねばのぅ」
「そうだな」
「これで心置きなくアメリカにこれますね?」
「いやいや、行かないって」
とみんなで笑う。
「でもみんな凄いですよ?アメリカでもランキングに載るくらい」
「あはは!一位は不動だけどね」
「まぁそれはしょうがないのぅ」
「爺さんまでかよ」
と言って爺さんを背負って帰る。
ダナとイロハは先に帰った。
「お前のおかげでわしは幸せじゃ」
「そうかい、そりゃよかったな」
と背負われて鼻歌を歌っている。
次の日は爺さんところへ3人はやってきた。
「好きなの一個どれでもええぞ!」
流石爺さん、太っ腹だ。
「私は『瞬歩』!もう決めてたんだ!」
「私はどうしようかな?『斬撃』はないから『剣術』かな?」
「私は『火炎魔法』で!決めてきました!」
と3人は好きなスキルボールを選んでいる。
「あ!50階層以降はどんなスキルで進んだの?」
と3人は興味津々で聞いてくるが、
「これはおすすめできないな。『常温』だが、風邪引いた時なんかはわからないからな」
「げっ!それはいやだね」
「それはどうしたんですか?」
「外したよ。外し方は秘密だ」
「ぶー!」
まぁ、付け替えができるのは俺くらいだからな。
結局、叶は決まらなかったが、爺さんとっておきのスキルボールを使った。
「叶だけずるいなぁ!」
「そうですよ!カッコかわいいし!」
「えへへ、『桜花爛漫』花見を思い出すね」
「剣のスキルのようだな!これで
『桜花爛漫』…満開の桜の花が咲き乱れている。
「よし!早速ダンジョンだね!」
「そうだね!行こう!」
「ま、待ってくださいよ」
「爺さん?良かったのか?とっておきだったんだろ?」
爺さんに聞くと遠い目をしてにっこり笑うと、
「いい、孫にあげるようなもんじゃし、使ってなんぼじゃろ!」
「そうだな」
桜は散ってしまったが、叶達は桜を見るたびに爺さんのことを思い出すんだろうな。
それもあって渡したのかもな。
誰であれ忘れて欲しくない人達がいるからな。
さて俺もそろそろ行こうかな。
「じゃーな!爺さん!そろそろ行くわ!」
「おう!行ってこい!」
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