第45話
S級に上がってからやたらファンレターが増えた。あと道端で写真を勝手に撮られるなど、めんどくさいので返事はしていないが酒のつまみに読んではいる。
アンチも多くなった、まぁ、スルーだがこれが有名税というものなのか。
まぁ、しょうがないな。
魔王のところにも行かなければいけないのだがこちらも忙しいのだ。
「兄貴ィン!」
ヒロシが飛んでくるがよける。
「うっさい!」
「パーティー組みましょうよ!」
「お前が強くなったらな?」
「絶対ですよ?では、行ってきます!」
「お、お前一人か?!」
「はい!」
「はぁ、慎重にいけよ?」
「わかってます!まだ死ねないですからね」
まぁ、教官にあんだけ扱かれてんだから大丈夫だろ。
「はぁ、仕方ない、行くか」
「どこにですか?」
「おわっ!なんだサヤカか」
「どこに行くんですか?いやぁ。ツクヨさんが連れてけってうるさくてですね」
「ユウ様?どこに出かけるんですか?」
「ん?ダンジョンの60階層だ。ツクヨはいけないからな?」
「そ、そうですか」
エルフやダークエルフがいるところに他の人間を連れていけないからな。
「じゃあ、行ってくるよ」
「はい!いってらっしゃいませ」
「いってらっしゃい」
ツクヨが寂しそうだったが70階層に行く時でも連れて行くつもりはないがな。
ゲートを潜りモノリスに触って60階層に行く。58階層で、また交易だな。
「だーかーらー!」
「これとこれを交換してくれ!」
「だめです!それをしたらユウ様の儲けがないでしょ!」
と率先して手伝ってくれるダークエルフとエルフの奥様方。
物の価値はわからないからな、やってくれると助かるなぁ。
それにしてもみんな買い物好きなんだな。
「なぁ、ユウからも言ってくれよ!」
「俺に物の価値はわかんないがどれ?」
「これだ」
持っているのはヒヒイロカネ鉱石だ。
「あぁ、これなら交換してあげて?」
「いいの?じゃあ、いいけどさ」
「やった!ありがとよ!」
とヒヒイロカネと酒を交換なんだから凄いよな。
瞬く間に全ての在庫がはけてしまった。
奥様方にはお礼のクッキーの詰め合わせを渡して60階層へ、
「待ってた」
アズラーイールが背後にいたので、
「わかったよ。ほらドーナッツだ」
「フフッ」
こう見ると可愛い男の子なんだけどな。
「イスラにはこれな」
「お!うまそうだな!ありがとよ!」
そしてもう一人のイスラにも焼酎やら日本酒につまみ各種を段ボールに入れてある。
「あ、ジブリールはいらないってさ」
「そう言うと思ったよ」
「もう一人のミーカールはコーヒー」
「だと思って待ってきたよ」
「そうか、ありがとう」
「うおっ!急に出てきた」
銀髪イケメンがコーヒーを持つと消えて行った。
「ミーカールはあんな感じだ」
「そうだな。それじゃあまたな!」
「ありがとう」
「んじゃありがとな!」
アズラーイールもちゃんとお礼が言えたんだな。
よし、じゃあ今日は帰るか。
モノリスに触って1階層に戻る。ゲートを潜り外に出るとツクヨ達がいた。
「どうした?帰ってなかったのか?」
「それが」
「私達もダンジョンにいきたいです」
「私達だって戦える」
「ユウ様と一緒に」
3人は俺を見ているが、
「まずは3人ともまだ監視対象だ。あと70階層からは足手纏いだ」
「…強くなりたいです」
「…サヤカ?ダンジョンへの申請は出来るか?」
「はい、やってみます」
「その場合サヤカも?」
「私も一応B級冒険者ですから」
「なら3人をお願いします」
「はい!」
と言うわけでセシリア、カタリナ、ツクヨの3人は許可が降りればレベル上げだな。
「防具とかはどうする?」
「私はあります」
「セシリアとカタリナだな。それに武器もいるだろう」
「それは…」
「しょうがないな、カタリナは剣でいいんだろ?セシリアは?」
「杖が」
『構築』でトレントの木とシルバーファングの魔石で杖を作ってみる。
「これでいいか?」
「…はい!魔力の通りもいいですからこれで!」
「カタリナは俺のお下がりだがミスリルソードな」
「ありがとう!」
防具は併設されている武器防具屋の防具をみる。
一応間に合わせでもそれなりにするからちゃんと選んでもらう。ツクヨはいいと言ったので二人だけだな。
「よし!これでいいです!」
「私もこれで」
「金は払ってやるが、くれぐれも注意してくれよ?」
「「はい」」
セシリアは厚手のローブ、に軽鎧にブーツ。
カタリナは俺のお下がりのプレートアーマー、ブーツだ。
まぁ、魔王軍を相手にしていた二人だから低階層からだったら問題ないだろうな。ツクヨもサヤカもいるし。
サヤカは本部に連絡に行って帰ってきて、
「はい、了承を得られましたので今から冒険者登録してきます」
「それは良かった、サヤカありがとう」
「いえ、それじゃあ向かいましょう」
と3人を連れていった。
まぁ、外貨を得るためにもいいかもな!
国からの支援だけだと気を使うし、ちょうどいいタイミングだったのかもしれない。
それから問題なく登録を済ませた3人は1階層からダンジョンに入って行った。
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