第43話


 さーて!今日は頑張ろうかな!

流石に休みすぎたからここらでちゃんと仕事をしよう!といっても今日は70階層には行かない、流石にこの前は長く潜りすぎたからな。

 今日は40階層から素材を集めていく。

 出来ればレベルスターフルーツ探しだな!

「さて行くか!」

「どこに行くの?」

「おうダナか、今日は40階層から行こうかと思ってな」

「私も連れてってくれない?やっと許可が降りたの!」

「ダナも冒険者だったのか?なら良いぞ!着替えは?」

「着替えてくるわ!待っててね!」

 ダナも冒険者だったんだな!そりゃそうか、そうじゃなきゃここにいないよな。

 着替えてきたダナは槍を持っていた。

「へぇ、槍を使うんだな!」

「これでもA級なのよ?」

「へえ、じゃあ行くか!」

「はい!」

 ゲートを潜りモノリスで40階層からスタートだ。

 

「おっ!あっちにもあるな!」

「まっまって!敵は倒さないの?」

「倒すぞ?でも素材を取りながらだな!」

「これは何になるの?」

「デトックスマンゴーか?若返りの薬だな」

「よし!取るわよ!」

「あー歳は変わらないぞ?」

「それでもいいわよ!」

 女はいつだって若くいたいのだな。

「おっ!レベルスターフルーツ!」

「これは?」

「レベルが上がるんだ、錠剤にするけどな」

「薬も作るの?」

「まぁな!面白いんだ!」

「そう、だから薬草を見つけたのね!」

「まぁそうだな!」

 と2人で敵を倒しながら素材を集めていく。


 50階層、レッドドラゴン。

「い、行くわよ!」

「そんな硬くならずに力抜けよ?」

「え!?だってレッドドラゴンよ?」

「んー、まぁ観てなよ!」

 『神速』を使いレッドドラゴンに向かっていく、尻尾を斬撃で切り体当たりを避けると首を斬撃で斬り落としドロップにかえる。

「な!簡単だろ?」

「簡単じゃないわよ…何よあの速さ」

「まぁスキルだぞ?俺の次に速いのはツクヨでその次は杏だな」

「あの二人も速いの?!」


 ドロップは紅の槍に魔石、宝箱は開けようとすると、

「待って罠があるわよ!」

「任せろって」

 罠を解除して開けるとレベルスターフルーツだった。

 ほう!二個も手に入ったな!

「はぁ、一人で何でもできるのね、ソロのわけが分かったわ」

「分かってくれて嬉しいよ」

「じゃあ帰りましょ!」

「あぁ、その槍は使えよ?」

「えっ!いいの?かなり良い槍よ?」

「俺は使わないからな」

「やった!ありがとう!」

 50階層から戻ってくると叶達がいた。


「あ!二人でダンジョンに?」

「あぁ、今帰ってきた!」

「見ればわかるわよ!」

「もう、そんなに怒んないの」

「誰も怒ってないわよ!」

 とダナとイロハが言い合っているが、

「そうだ、若返りの薬!」

「「「えっ!!」」」

「あ!そうだったわね!」

「だが、あれだぞ?美肌効果やデトックスなんかだぞ?」

「あるの?頂戴!」

「ほれ、ダナもだろ?」

「うん!ありがとう」

「私達は?」

「3人は十分若いだろ?まぁイロハやダナも若いけどな」

「ふ、ふん、そんなことは知ってるわよ」

「そうね、でも試してみたいわよね!」

 受付に行き、魔石とドロップを換金して半分に分けてもらう。


「悪いな素材はもらって」

「いいのよ、連れて行ってもらえたし、槍ももらったからね」

 家に帰ると錬金でレベルアップの錠剤が8粒できたのでインベントリに入れておく。

 あとはデトックスマンゴーを若返りの薬にしたり、パワーポーションなどを作ったりしながら飲んで過ごした。


 翌朝ギルドに行くと、

「凄いわねあの薬!肌が若返ったみたいで!」

「そうそう!デトックス効果もすごかったもの!」

 へぇ、そんなに凄いんだな。

「ほら、二人にやるよ」

「「やった!」」

 と嬉しそうにもらう二人。

 これは売れるけど売れない奴じゃねーか。

 さすがに夢見製薬にはこれは教えてないからな。

「さて、今日もいこうかな!」

「40階層?」

「いや、今日は買い物に行くだけだな」

「あー、だから普段着なのね?」

「どこに行くの?」

「爺さんの相手と買い出しだな」

「そう、じゃあ私達は30階層から行ってくるわね!」

「おう、気をつけろよ?」

「任せといて!」

 と俺とダナは外に出る。

「ダナは今日もついてくるのか?」

「いえ、今日はジムの日だからジムに行ってくるわ!」

「あはは、それじゃあな!」

「バーイ」


 俺は買い出しだな、スーパー、コンビニ、百貨店、ファストフード、などなど、行くところは沢山あるからな。


 ある程度買い込んだらいつものスキルボールの爺さんのところへ、

「よう、爺さん!元気か?」

「おう!よく来たな!将棋はできるか?」

「おう、よく爺さんに相手してもらってたよ」

「よし!なら一局!」

「負けても知らねーぞ?」

「ははは!勝ってから言え!」

“パチ”

“パチ”

 とゆっくりと時間が流れる。

「商売はどうなんだ?売れてんのか?」

“パチ”

「まぁ、最近はよく売れとるよ」

“パチ”

「へぇ、そりゃ良いこったな!」

“パチ”

「う、うーむ」

「へへ、爺さん癖があるな!」

「なぬ。どういう癖だ?」

 と将棋話に花が咲く。


「どれ!飲みにでも行くか」

「そうだな!行こうか」


 歳の離れた飲み仲間も良いもんだな!

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