第40話
67階層に降り立った俺たちは魔物の軍勢がいるエリアに来た様だった。
魔物は隊列を作り今にも飛び出しそうな勢いだ。
「おいおい、
「おそらくその様ですね!」
「よし!ツクヨはここにいてくれるか?」
「いえ、私も戦います!」
「そうか、気をつけるがまずは俺が行くからな!」
「は、はい!」
魔物の中に入っていくのに『神速』『斬撃』を放つと波を打つ様にドロップに変わっていく。
「オラァ!『サンダーレイン』」
雷に打たれドロップに変わっていく魔物達!
「半分は倒せたか?ツクヨ!」
「はい!」
「やろうか!」
「はい!ユウ様」
走っていくと前から大きな体のトロールがやってくる。
「うおぉぉ!!」
「『獅子奮迅』」
「グハァッ!!」
倒すと俺の目の前にはそれよりデカい大男が手を伸ばしてきていた!
「グハァ!」
「ユウ様!?」
「俺は大丈夫だから自分のことをやれ!」
「はい!」
俺は手に押しつぶされそうになりながら、『獅子奮迅』で脱出する。
『グアァァアァ』
何だこのデカいやつは?『神眼』で確認するとタイタンという魔物だった。
『八大魔将のギガント様に勝てると思うなよ』
「喋れた様だな!ふざけた体だな!」
『獅子奮迅』で壊した手はもう元に戻っている。
「いくぞ!『神速』『斬撃連斬』」
“ガガガガガガガガ”
とタイタンを削っていくが、すぐに元に戻る。
「くそ!これじゃ埒があかないな!」
『ガハハハハ!死ねぇ!』
『神速』で避けるがどうしたものか、足元を見ると大地と繋がっている?
「『タイダルウェイブ』」
津波がタイタンを飲み込むと溶けて核が剥き出しになった!!
「ツクヨ!」
「はい!」
ツクヨが投げた手裏剣が刺さり壊れる核。
ドロップは大地の核と魔石だった。
「よし!それじゃあ残りを倒すぞ!」
「はい!」
残った有象無象を片付けるのに半日かかった。
だがおかげでツクヨのレベルも上がったし、ドロップも大量だった。
ここからどこかにいく予定だったみたいだな!
「あそこに何かあります」
「なんだろ?」
近寄って『神眼』で見ると『ダンジョンコア』というものだった。
「これで階層移動していたのか?」
とりあえずインベントリにいれて今日はテントを出して休むことにする。
流石にあれだけ倒したのだ、魔物は出てこないと思うがツクヨと交代で夜番をする。
朝が紫なのはいただけないな。
だが魔物の襲来はなかった様で朝飯を食べたら68階層に向かう。
階層を降りるとそこは海岸沿いになっていて、海は黒く染まっていた。
「ここは魔王国の果ての方ですね」
「いままでで魔王城は?」
「なかったです」
「そうか」
魔王のいる場所さえわかれば大災害が止められるのにな。
「とりあえず70階層まではいくぞ!」
「はい!」
ふたりで海岸線を走るが本当に何もないな。
「魔王国は海産は?」
「海がこれですので海産は難しいかと」
「そうか」
「それに海にも魔物がいますから」
「それもそうか」
69階層には早々ついて降りていく。
また荒地で流石にこれじゃあ野菜なんかも育たないだろうな。
「魔物は野菜なんかは食うのか?」
「木を齧る魔物なんかはいるそうです。あとは果物は食べると思います」
「なんだか、ここで暮らす魔王達が人間領に攻め入るわけがわかる様な気がするな」
「…そうですね」
荒地を走りながら魔王は本当に悪いやつなのかがわからなくなってきたな。
だが、倒さないと大災害が起こる。
だから絶対に辞めさせなければならない。
70階層、ボス部屋の様な場所だが誰もいないな。とりあえずバングルを外してモノリスを触り1階層に戻る。またギルド職員を呼んで出してもらいゲートの外に出る。
「ユウ!やっと帰ってきたね!」
と抱きついてくるのはダナだ。
「辞めてください!」
割って入るツクヨ。
「なに?また連れてきたの?」
「あぁ、2人で攻略してきたんだよ」
「そ、そうなんだ」
と、ギルド職員に言われ、車に乗って病院に行く。ツクヨは放心状態だな。
病院の検査も終わり、また記者会見の場にいる俺は疲れているが何とか答える。
………
「では70階層はボスはいなかったと」
「はい」
「それでは記者会見を終了します!」
これでやっと帰れると思ったらギルドでイロハ達がいて、
「何で連絡もなしに何週間もいなくなるかね?」
「いや、何週間もって」
「なによ!?」
「何でもないです」
「しかもまた女が増えたし!」
「ツクヨだ、仲間だな」
「え!なら強いの?」
「あぁ、忍者?クノイチか、」
「へ、へぇ、凄いじゃない!仲良くしましょうね」
「???」
「仲良くしようってさ」
「はい」
と握手をする。
「じゃあ、疲れてるから帰るぞ」
「えー!飲みには?」
「明日な!」
サヤカに連絡してツクヨを頼むと、自分の部屋に入ってビールを片手にソファーに座る。
テレビをつけると俺が写っているので何だか笑えてきたな。
はぁ、帰ってきたな。
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