第24話


 俺は『常温』を身につけたので50階層から先に進む。雪山でも寒くない。

「よし!いくぞ!」

 ホワイトドラゴンを倒しながら53階層、砂漠を突破して行く。

 途中で見つけた宝箱にはスキルボール『獅子奮迅』が入っていた。これも四文字熟語だな。

 S『獅子奮迅』…獅子が奮い立ち、猛進するような激しい勢い。

「よし!覚えるか!」


 これで俺も四字熟語Fourの冒険者だな!


 砂漠を直走りちょうど砂竜が出て来たので『獅子奮迅』を使ってみる。

「うおぉぉ!『獅子奮迅』」

 獅子が噛み付いたように肩から半分なくなる砂竜は消滅し。ドロップになった。

「スゲェな!さすがフォアだな!」


 55階層!やっと通ることができるが、やはり溶岩に当たればただじゃ済まないだろうな。

 やはりここにもいたマグマドラゴンという溶岩を泳ぐ魚のような竜だ。

「『斬撃』!」

 少し切れたくらいだな。

 やはりただの『斬撃』では無理のようだな。

「『神速』『斬撃』!!」

 やっと倒せてドロップは分厚い皮と魔石だ。


 そのほかにも火炎狐などが出てくるが、倒していると溶岩花というものが見つかった!素材はインベントリにいれておく。


 56階層、溶岩地帯だ。

 ここではレッドドラゴンが出て来た。

「くそ!こんなとこで出てくんのかよ!」

 まだ遠くにいるがロックオンされている。

『ガアァァアァァァ』

「ったく!うるせえ!」

「『神速』『斬撃』」

 を飛ばすと斬れて落ちて行くレッドドラゴン。

「え?」

 見に行くとドロップの赤い皮と魔石があった。

 どうやらここのはそこまで強くないのかもな!!

 57階層の階段近くに宝箱を見つけたので、罠解除して開ける。

 今度は黒いパンツに赤茶のブーツだった。


 57階層に降りると、天高く聳える大樹のある森だ。


 ここには敵と呼ぶようなモンスターが居らず、鹿や鳥などがいてのんびりとしていた。

 疲れたのでちょうどいいとズボンをさっき出て来た黒いパンツに変えてブーツを履き替える。

 インベントリから出したハンバーガーを食べながらコーラを飲む。

 なんてジャンクで美味いんだろ。

 しかしダンジョンにこんなところがあるとはな。


「誰だおまえは?」

「ん?えーと、冒険者?」

 とりあえず後ろに立たれてるから何もできないな。

「なぜ疑問系なんだ?」

「いや、弓を下ろしてくれない?」

「それはできない」

「んじゃそっち向いていい?」

「だめだ、お前はだれだ?」

「はぁ、相葉優、33歳!これでいいか?」

“ビュッ”

「あっぶね!撃ちやがったな!」

 『神眼』で見てたから避けれたけど、後ろから撃つか?普通!!

「な!なぜ避けれた!?」

「てめぇ!こっちがしたてに出てりゃ調子に乗りやがって!」

 剣を抜く。

「お前は人間だろ!ここになんのようだ!」

「は?なんのようだ?じゃあそう聞けバカ!」

「ば、バカとは失礼な!くそ!だから野蛮人は!」

「どっちが野蛮だ!勝手に後ろから撃つのは野蛮じゃないのか!」

 どう考えても野蛮はそっちだろ!


「くっ!わかった、それは詫びよう。だがここから出ていけ!」

「やだね!俺は冒険者だ!ダンジョンに来てるだけだ!」

「な!ダンジョンだと?」

「は?ここがダンジョンじゃなければなんなんだよ!」

「ま、まて、ここはイルスラーン大陸じゃないのか?」

「は?地球だ!」

「なんだと?ちきゅう?」

「そうだ!地球の日本のダンジョンだ!」

 こいつ耳が長いな、しかも美形、エルフか?

「うそだろ、なぜダンジョンに」

「嘘だと思うならついてこいよ、階段に案内するよ」

 俺はエルフを連れて階段に行く。

「な、なんでこんなところに!?」

「ここがダンジョンだからだ」

「う、うそだ!そんなこと」

「そう思うならそれでいいが、俺は冒険者だから勝手に進むぞ?」

 俺は後ろを向くと、

「ま、まってくれ!悪かった」

「気にするな、もういいか?」

「お願いだ!村長に会ってくれないか?」

「虫のいい話だな!俺は殺されそうになったんだぞ?」

「こ、この通りだ」

 男は頭を下げている。

「はぁ、次はないぞ?」

「わかった!で、少し待っててくれないか?話をつけてくる!」

「わかったよ、ここでいいな?」

「本当にすまない、ありがとう!」

 と男は行ってしまった。

 だがエルフか、御伽話のなかに迷い込んだようだな。

 俺はここにある植物を採取し始めた。


 小一時間待つと男が何人か連れて戻って来た。

「な、なんだこれは!」

「すまない、遅くなった」

「いいが、皆ビックリしているようだが?」

「無理もない、俺たちはこの森から出ることがないからな」

「森の民、エルフか」

「そうだ。あの大樹の麓で暮らしている」

 指差す方向に大樹があるがあれは現実か?

「外の話を聞かせてくれないか?」

「別にいいが?」

「よし!村に帰るぞ!」

「お、おい、いいのか?人間だぞ?」

「うるさい!俺の決定は村長が任命したんだぞ?」

「わ。わかった」

 話はまとまったようだな。


 エルフの村までは曲がりくねって森の中を突き進んでいく。

「すまないな、歩きづらいだろう?」

「いや、気にしなくていいぞ?」

「あはは、冒険者だもんな」

 だが思ったよりも早くついたのにビックリしてると、

「エルフの術で普通の人間はこれないからな」

「そうなんだな」

 村はツリーハウスが多く、木に囲まれている。とても幻想的な風景だった。

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