第23話


「ようダナ!まだ帰ってないのか?」

「しょうがないでしょ?貴方にOKもらわないと帰れないわよ?」

「無理だって!俺は日本語しか喋れないからな!」


 あれから一週間経ってようやく落ち着いて来たが、ダナがよくギルドに顔を出すようになった。


「ユウは一度言ったら聞かないから諦めたら?」

「そうは言ってもねぇ」

「そうそう、無理ですって」

 叶達とも仲良くなっているので凄いな。

「んじゃ俺は行ってくるからな!」

「はーい!いってらー!」


 と今日は50階層からだ!

 ジャングルに無ければあの雪山にあるに違いないと、素材をこれから探すんだ。


 雪山を探しながら歩いていると人影?

「おぉーい!ここは寒いぞ?大丈夫かぁ?」

「…みつけた」

“ギンッ”

 一瞬で俺の目の前に現れて鎌を振り下ろす。

 ギリギリで剣を抜いてそれを防いだ。

「な、にすんだ!!」

「やっぱり、神速の持ち主か」

「あ!ジブリールってのと同じか!?」

「僕はアズラーイール。貴方に死を」

「はぁ。なんでこうも天使ってのは喧嘩っ早いのかね?」

「それでは」

“ギンッ”

「この!」

“ギンッ”

「だから!」

“ギンッ”

「おらぁぁ!話くらいしろよ!なんで俺を殺すんだ?」

「おかしいな?もう死んでておかしくないのに?」

 こいつは話を聞く気がないのか?

「だから話を“ギンッ”聞けっての!!」

「なに?」

「だから!ん?なんだっけ?」

“ギンッ”

「っ!あったまきた!このやろう『斬撃』」

“キンッ”

「これはなかなか」

「チッ!弾くのかよ!んじゃ、これでどうだ!」

 『神速』からの『斬撃』だ!

“ギギギギギンッ”

「…ッ!これは」

「どうだ?まだやるのか?」

「またにする」

 と言って翼を広げ飛んでいってしまった。

 子供のような姿で銀髪でツノが生えてるのはアズラーなんとかか、鎌なんて持っておっかないなぁ。


「でもやりあえたな!俺も強くなってるってことか!」

ステータス、


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

相葉 優アイバ ユウ 33歳

 ベースレベル78


 ビルダーLv59

 剣士 Lv71

 錬金術師Lv50

 大魔導士Lv39

 


 スキル

 S構築、S分解、A剣術、S神眼、S錬金、B集中、B修得、S神速、S魔法、A作成、A異世界言語、A体術、A斬撃、A猛毒撃


 ユニーク

 インベントリ

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


 中々見ないうちに上がったな。

 

 でもこれじゃ足りないんだよな。


「さて、寒いからさっさと探そう」

 『神眼』をつかって歩いて行くがやはり見当たらないな。

 52階層、やはり見当たらないが宝箱を見つけたので開けてみるとスキルボールで『温情』だった。

 『温情』…思いやりのあるやさしい心。


 俺は切り上げて帰ることにした。


 モノリスに触り1階層までいってゲートを潜る。

「あれ?帰って来たの?」

「ん?あぁ。忘れ物だ」

「そっか」

 とダナと別れて前行ったスキルボール屋に行く。


「おっ!この前の」

「前はどうも!鑑定しに来たよ」

「マジじゃったのか?ほんで本当は?」

「欲しいスキルボールがあったら売ってもらいたい」

「おぉ、いいぞ!結構あるからな!」

 奥からも段ボールでだしてくるお爺さん。

「さてやるか!」

 『影切り』『火炎魔法』『忍足』『斬り裂き』

 ないなぁ?あってもいいんだが。

 『泣き真似』『常識』

「あった!」

「うおっ!ビックリさせるでない!!」

「これを売って欲しい!」

「なんじゃったんじゃ?」

「『常識』だ!」

「あっはっは!ハズレではないか!」

「そうだけど俺にはいるんだ」

 俺にとってはハズレじゃない!

「持ってけ!こんだけ鑑定してくれたんじゃからな!」

「ありがとう!まぁ、せっかくだから全部やるさ」

「お!やってくれるのか!」

「おう!」

 結局夜までかかったが、『異世界言語』があったのでそれももらった。


 そして飯をご馳走になって家に帰る。

 

 俺が欲しかったのは『常温』だ!


 勿体無いがF『温情』から温を、C『常識』から常をとってA『常温』にする。


 『常温』…常に一定した温度、恒温。

 これを割って『常温』を身につけた。


 なぜ気付かなかったのか、俺にはビルダーがあったのに錬金術でどうにかしようとしてたな。

 人間前のめりになるとダメだな。


 家に帰り着くとダナが待っていた。

「Good evening 相葉はどこに行ってたのかな?」

「ハハッ!忘れてたものを取り戻しにね!」

「それはスキルボール?」

「なんで知ってんだ?」

「そりゃ、あれだけ焦ってたんだから調べるでしょ?」

 悪びれなくそういうダナ。

「まぁそうか」

 まぁ、あの時は嬉しかったしな。周りが見えてなかったな。

「で?ひとつの真理に辿り着いたの!聞きたい?」


「いや、べつに?」

 こりゃばれてるな。

「聞いてよ!貴方はスキルボールを作れる!」

「あっはっはっはっは!無理だろそんなの!」

「えっ!違うの?」

「そしたら今頃、俺はスキルボール屋になってるさ」

「くぅっ!そうね、違ったみたいね」

「面白かったよ!これは返すな」

 俺についてた発信機を返すと家に入って行く。

「必ず暴いて見せるから!」

「楽しみにしてるよ」

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