第19話
外に出てゲートを潜ると拍手が待っていた。
「ありがとうございます!私達を助けてくれて」
ギルドの人達が並んでいた。
「あれ?あのA級はどうしたの?」
「あ、『炎龍』の方なら帰りましたよ。全て終わってたって言って」
ふーん、あいつらもちゃんとしてんだな。
「へぇ、じゃあ帰りましょうか!」
「だな」
「まっ待ってください!取材よろしいでしょうか!?」
「イロハ、得意だろ?」
「いやよ、あなたが殆どやったんじゃない」
「はぁ、何を話せば?」
取材は数分で終わらせてもらう。
疲れているしヘリにも連絡しなければいけない。
イロハが連絡してヘリはギルドに到着してそれに乗って蜻蛉返りだ。
「写真取られちゃいましたね!」
「うー、半目だった気がするぅ」
「人気者?」
三人娘は恥ずかしいのか嬉しいのか複雑な気分なんだろうな。
「かもな?あはは」
「はぁ、取材がくるわよ?一人で受けないようにね?」
「「「「はい」」」」
「受ける度胸はないよ」
「あれだけのことをしたのに?」
「そうですよ!私の『斬撃』より強かったし!!」
「『雷電魔法』にあんな使い方があるなんて」
「私より速かったぁー!!」
「まぁ、だからスキルボールは要らなかったんだがな」
「それは納得したけど」
まぁ、本気を見せたしな。でもまだ弱いのが実感できた。あれじゃあ、ジブリールってのには勝てないからな。
ヘリはいつものギルドに到着する。
「お疲れ様でした」
「あ、お疲れ様でした、助かりました」
「は、はい!」
ヘリの操縦士にも挨拶をしてギルドに帰ると大歓声だった。
「よくやってくれました!ありがとうございます!」
とギルド長に言われてまぁ、悪い気はしないな。
「あはは、そうだ、ドロップを売りたいんですが?」
「はい!承ります」
受付に行くといつもの受付の人だ。
「よろしくお願いしますね」
「はい、それではこちらにドロップをお出しください」
今日の分だけで10カゴになってしまったので後ろで待つことに、
「あ、取材よろしいでしょうか?」
「はい!私を通してくださいね」
とイロハが対応してくれるのでこちらは楽に構えておくことが出来る。
「薬草を初めて取られたのも相葉さんだと聞いたのですが?」
「…」
「それは夢見製薬のひとに聞いてください」
「分かりました。あとはどのように…」
と長々と取材をする人だな。
「もうだいぶ答えましたがまだ何か?これ以上は疲れてますので!」
「あ、申し訳ありませんあの」
「もう結構です!」
「す、すいませんでした」
と拒否る。
「はぁ、これが続くのか?」
「たぶんね?テレビの取材なんかもくるでしょうね」
「「「「はぁ」」」」
「相葉さん。あ、33番の方」
「あはは。間違えましたね?」
「すいません」
「いいですよ」
「それでは魔石が2657個になり、そのうち買取不能なのが60個、これは大きすぎるのと属性付きですので金額が出せないのでお返しいたします。ドロップ品に関しても買い取れないものが多数ありますのでお返しいたします。ご了承下さい」
「わかりました」
さすがに買い取れないものがあるとは思わなかったな。
すべてで、2600万ほどになったので1人520万くらいか。
「辞退します!」
と叶達が手を挙げる。
「は?」
「だって殆どユウさんが倒したじゃないですか!」
「それとこれとは別なの!もらってくれなきゃ困るから」
「えー」
「ほらカード出して」
とカードを出させて全員で仲良く分けた。
さて。今日は帰るか、と外に出るとフラッシュが焚かれて眩しいったらありゃしない!
「な、なんだ!」
「や。やめてください!」
「もうやめろー!」
とようやく、フラッシュが止まったと思ったら。
なぜかテーブルが設置されていて記者会見のようになっていた。
「は?」
「え?」
ギルド長が出て来て、
「すいません、これが一番早いですからお願いします」
「は?先に言ってくださいよ!!」
「すいません!」
と平謝りのギルド長を睨んでもしょうがない。
記者会見になり、あれよあれよとことが進んで結局帰りは夜になっていた。
「つ、疲れた」
「まだ明日もあるわよ?」
「帰るー」
「そうですね」
「お疲れ様!」
タクシーで帰って行くみんなを見送ってから家に帰ると、家の前でも写真を撮られ、さすがに頭に来たので怒鳴ったら帰っていった。
まぁ、怒鳴られただの書かれてもいいやとフラフラになりながら家に入り、ビールを開けてテレビをつける。どの局も俺たちのことだった。
まぁ、A級がいたにしろC級とD級だから、そりゃすごいことだがな。
「さて、ジブリールを検索っと、神の言葉を司る天使?ガブリエル?色々と出てくるな」
四大天使のミーカールは公平さを、アズラーイールは死を、イスラーフィールは音楽を司ると書いてあるが何が本物かわからないな。
分かんねーな。神がそう言うことをさせてるのか?だけど自分の意思のような感じだったしな。
「わっかんねーな!」
だがどちらにしろ大災害は止めるだけだ。
次の日は朝からテレビは大災害を食い止めた五人として俺たちが映っており、しかも薬草のことも言っていた。
まぁ、夢見製薬が言ったわけじゃないだろうから憶測に過ぎないだろうけどな。
にしても今日はどこにも出る気になれないな。
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