第18話
今はダンジョンの中にいて、
「『サンダーレイン』」
「え?雷電魔法?」
クリスが驚く。
「『斬撃』」
「うわ!私のも!」
「私より早く動いてるし」
と三人は呆けているが!
「三人とも今は違うだろ!」
「「「はい!」」」
1階層は殆どモンスターはいなくなった。
「良かった!これで2階層を見て判断しましょう!」
「その必要はない!」
と後ろを振り向くとテレビに映ってたA級冒険者だった。
「ミツル?どう言うこと?」
イロハが睨みつけて言うと、
「それは俺たちが来たからだよ?お前たちの出る幕はなくなるわけだ」
ミツルと言われた男が両手を広げて歩いてくる。
「は?あんたら手柄を横取りする気?」
「手柄?そんなのはこの大災害で必要か?俺たちが来た。それだけで人は安心するんだよ!」
「く!もうあとは2階層を確認するだけよ?それでもあんたらがやるって言うの?」
「当たり前だろ?お前ら無名のパーティーが何言ってんだ?」
「私がいる!」
「お前はもう抜けた一冒険者だ、なんの人気もないな!!」
「わかった、ここはお前達に任せよう」
と俺が喋ると、
「お、話のわかる奴がいるじゃないか!」
A級冒険者とはこうも醜いものなのか?
「まぁ、あとは俺たちに任せれば大丈夫だ」
肩を叩かれ、A級の三人はまっすぐにあるいていく。
「ごめんなさい、私に力がないばっかりに」
「イロハのせいじゃないだろ?」
「そうですよ!気にしないでください!」
「それにしても感じ悪い」
「べーだ!」
叶達には悪いが、あいつらは認知度が高いから俺たちの言うことなんて誰も信じないだろうな。
「あはは、まぁ、気にするな!ドロップは全部拾ってあるからな!」
「え?」
「ぷっ!あははは」
「あはははは」
「あいつらは人気をとったんだからそれでいいだろ?」
「あはは、そうね!お腹痛い」
あれだけの量のドロップ品だ。それなりに金になるだろうな。
何も気づかない三人はのんびりと2階層に向かっているが、
「ん?」
「なんだあれ?」
誰かがA級の三人に話しかけているな。
『グアァァアァ!!』
「は?」
「『神速』」
俺は三人のところに行くと剣を抜いて男の首に当てる。
「お前何してんだ?」
「うおぉぉぉおぉぉぉ!」
俺の肩を叩いた奴が腕をバッサリ斬られていた。
「腕をしっかり押さえつけろ」
「は、はい」
斬られた腕を引っ付けながら仲間がポーションをかける。
「グアァァアァ」
「で?お前は何なんだ?」
「あれ?やっぱりあなたがこの
「まぁ。そうだな」
「ですよね!こんな弱い人間が止められるわけないはずなんです。せっかく用意したのですから」
よく見ると男は黒い服に銀髪で頭からツノまで生えている。
「悪魔?」
「そうみえるます?まぁ遠からず、ですかね?」
「そうか。で?なんで大災害を起こそうとしたんだ?」
「そりゃ人間を殺すためですよ?」
「は?」
こいつは何を言ってるんだ?
「だってそうでしょ?人間なんて地球に害悪でしかないんですから」
「はぁ、だから殺すのか?」
それはあまりにも勝手だな。
「間引き…があってますかね?別に全人類殺すつもりはないですし?一応神が作りしものですから」
「…話にならないな」
俺が剣を振り抜こうとすると男は後ろに反って避けると俺の手を掴み倒そうとする。
「って!そうはいくかよ!」
俺は掴まれた腕を引っ張り、男を立たせると腹を殴るが、
「いっつ!」
「反応がいいですね」
「この!」
「はぁっ!」
“ギンッ”
男の爪で剣を止められる。
「おい!お前は殺す」
「無理ですね!まぁ、いいものが見れましたし今日はこれで帰ります!私は四大天使の一人ジブリールです。貴方は?」
男は言うと羽を広げて飛び立つ。
それは真っ白な羽根でまるで天使のようだった。
「相葉 優だ」
俺は剣を構えたままだ。
「また会いましょう!ユウ!」
「二度と会いたくないね」
「それでは」
と言って消えていった。
「お前ら大丈夫か?」
後ろの三人に声をかけるが、
「だ、大丈夫なわけないだろ!う、腕が、腕が動かないんだよ!」
「はぁ。これを飲め」
「な。なんだよ!それは!」
「ハイポーションだ」
「か、貸せ!ングング!グアァァアァ!」
そりゃ痛いだろうな、治したのをまた治してるんだからな。
「グッ、グフッ」
「ユウ!大丈夫?」
と4人が駆けつけてきた。
「あぁ、大丈夫だ」
「あんたハイポーションの値段は300万だからね!返しなさいよ!」
とイロハが言うと、
「グッ、くそ!わ、渡してやれ!」
「ほら。…お前は帰ってこないのか?」
男がイロハに声をかけるが、
「フン!そんなやつと一緒に仕事するのはまっぴらよ!」
「そうか」
といって肩を貸して三人は帰って行く。
「おい、2階層は見ないのか?」
「お、お前らで確認しろ!」
そう言うと帰っていった。
「ったく!はい!お金」
「おお。ありがとうな」
そんじゃいきますかね?」
「「「はい」」」
階段を降りるといつもの迷宮になっていて、モンスターの姿は見えない。
「ふぅ、大丈夫そうだな」
「そうね!あいつは何だったの?」
「さあ?ジブリールとか言ってたな」
「ジブリール?四大天使の名前ね」
「そんなことも言ってたな」
「それが本当なら私達は天使を相手にしてるってことよ?」
「まぁ、本当かわからないけどな。とりあえず出ようか?」
「そうね」
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