第17話


 まだ俺の家にいる四人は、

「ねえ!財布も作ってよ?」

「は?金具とかも作らないといけないだろ?」

「えー。まぁそっか」

「ピザ頼もう!」

「「「いいねぇー!」」」

「おい!お前らダンジョンに行くんじゃなかったのか?」

「んー、きょうはもういいかな?」

「だね」

「ですねー、今日はもうお腹いっぱいです」

 なら帰ればいいのにな。

「あはは!じゃあ、ピザ頼んでください!」

「はぁ。わかったよ」

 とピザを頼んでみんなで食べる。


「あー!タバスコかけすぎ!」

「これくらいがいいの!」

「自分の分だけにしてよね」

 三人よればなんとやら、四人か。

 テレビをつけるとA級冒険者がテレビに出ていた。

「あっ!昔の仲間だ!」

「へぇ、イロハさんの仲間なんですか?」

「昔ね!こいつ嫌いだったのよ」

 後から言われるときつい一言だな。

「自意識過剰でナルシストなの」

「「「えー!それはやだ」」」

「あはは。言いたい放題だな」

 テレビでは、

『では今は三人で活動しているんですか?』

『そうですね、僕たちは三人でも十分ですので』


「きー!こいつなんかそこまで役に立ってないっての!」

 イロハがヒートアップしている。


 まぁ、夕方から飲んでるからな。

 もう三本目を飲んでいる。

「はぁ、こいつほんとに埋めてやろうかしら!」

「あはは、仲良くなかったんですね?」

「そりゃ、組織のなかで編成されただけだからね」

「みんなバラバラなのか?」

「そうよ?スカウトされて訓練所で一緒になってパーティーになるの。私は誘われたから入っただけね」

「へぇ、そうなんだな」

 いろんなパーティーの組み方があるもんだな。

「いまはいいわぁ!居心地がいいもの!」

「一番年上ですしね」

「あ!それいっちゃだめ!」

「そういえば幾つなんだ?」

「「「「あーー!」」」」

「そういうの聞いちゃダメですよ?」

「そうですよ、女性ですからね!」

「ダーメー!」

「っていいけどね!まだ25だし!」

「え?そうなのか!」

 もっと上かと…

「どーせその顔はもっと上に見てたんでしょ!悪かったわね!」

「いや。まぁ、年下はわかってたが、な」

「まぁ。舐められないようにこの口調だしね」

 あー、こいつも色々あるんだな。


 ピザも食べ、酔いも回ったのでタクシーを呼んでみんなを返す。

「また来ますからねー!」

「ありがとうございます!」

「またねー!」

「じゃあね」

 やっと一人になれたな。


 部屋に戻って片付けてからソファーでゆっくりする。

 テレビにはまだ冒険者達が映っていて色々喋ってるが、眠くなって来てちゃんと聞き取れないな…


 ソファーで寝てしまったので体が痛いな。

テレビもつけたままだった。

 テレビを見ると中継をやっていて、山梨の方でダンジョンブレイクの予兆があるらしい。

“ティロリロリラン”

「はい!」

「ユウ!その口調は知ってるみたいね!」

「今テレビで見た」

「応援要請がはいったの!一緒に来てくれない?」

「わかった!どこにいけばいい?」

「いつものギルドで!」

「了解!」

 俺は急いで着替えると荷物をインベントリに入れて家を出る。


 ギルドに到着すると三人も一緒か?

「叶達も一緒なのか?」

「そうよ!パーティーですからね!」

「そうか。危なくないようにな!」

「大丈夫!」

「心配ありがとうございます」

「だーいじょうぶだよ!」

 まぁ、そこら辺の冒険者よりも心強いな!

 外で待ってるとヘリが到着する。

「乗って!いくわよ!」

「「「「はい!」」」」


 東京から山梨にヘリで移動なんて初めてだよ!

 約40分のヘリの旅でダンジョンのある甲府市へ。

 ヘリから降りると走り出し、

「もう出て来てるから倒しながら行くわよ!」

 と声をかけるイロハ。

「「「「はい」」」」

「俺は先にいってるからな!」

「え!」

 『神速』を使いモンスターのくる方向へモンスターを倒しながら行く。

 外に出て来たモンスターはドロップにならないみたいだな。

 奥へと走っていくと、逃げ遅れた人がいたので助ける。

 ダンジョンセンターの従業員らしい。

「まだ中に人が!」

「わかった!あっちの方に逃げれば安全だから!」

 また『神速』を使い、ダンジョンセンターの中に入るとモンスターだらけだ!

「うおぉぉ!!」

 こんな中で『斬撃』は使えないので切り倒して行くしかない。何とかドアのところまで倒して行くともうドアが破られそうだった。

「もう大丈夫です!もう少しですからね!」

「あ、ありがとうございます!」

 よし!生きてるな!さっさと倒すか!

「『サンダーレイン』」

 ダンジョンセンターのなかを雷の雨が落ちて、中のモンスター達を焼き尽くす。

「よし!あとはゲートか!」

 まだゲートから出てこようとしているモンスターを切り倒して中に進む。

 1階層から出て来ているようなので入って行くと30階層からの光景に似ていて、見渡す限りモンスターがいるので横凪に『斬撃』を放つ。

「しゃぁ!いくぞ!」

 『神速』で『斬撃』を次々と使い!広範囲の魔法を放つ!

 ようやく半分くらいになった所で、四人が駆けつける。

「あんた早すぎなのよ!」

「外は大丈夫か?」

「大丈夫!全部片付けてきたよ!」

「よし!あとは中だけだな!!」

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