第15話
30階層、シルバーファング、
「『瞬歩』うりゃ!」
「いくわよ!『サンダーランス』」
シルバーファングの足止めをした杏に魔法で胴体にダメージを与えるクリス。
「最後の仕上げ『斬撃』!!」
シルバーファングの首を飛ばし3人で30階層を突破してしまった。
「「「イェーイ!」」」
これには俺もイロハもビックリだ。
「あんた今度からあげる時は注意しなさい」
「お、おう」
ドロップは毛皮に魔石。
宝箱は杏が罠を解除して、開けるとシルバーソードだった。
「私のね!」
と叶が言う。
「やったね!」
「あー、杖が良かったな」
と3人とも嬉しそうなので良かったな!
「あっ!薬草取って行こう!」
「そうね!」
「気をつけていきましょうね」
これと言ってダメージもないし、3人ともスキルがマッチしたんだろうな。
31階層で薬草を採取し始める俺たちは、
「これ?」
「そうそれだ、これもあったら摘んでおいた方がいいぞ?」
「わかったぁー!」
と上薬草も摘んでもらう。
これでハイポーションも作れるかもしれないからな!
大量に摘んで俺がインベントリに入れて行く。
そういえばマジックバッグも作ってみようと思ってたんだよな。
帰ったら試してみるか。
モノリスで1階層までいきゲートを潜ってギルドに出る。
受付に行って魔石とドロップを出して行くとやはりミノタウルスの肉は一塊ずつ待って帰るようだ。
「便利よね?インベントリ?だっけ?」
「おう、かなり便利だぞ」
「マジックバッグがあれば良かったんだけど、パーティーに返して来たからね」
「そうなのか、パーティーって?」
「A級パーティーの『炎龍』よ、結構有名なの」
「あー、前にテレビで見た」
「あ、あのー」
と受付の人が言うので見たら3人とももう後ろに行っていた。
「あ、すいません」
後ろにいき、3人と一緒に待つ。
結局魔石だけで300万で、ドロップも合わせると800万近くになったらしい。
「やった!さすがユウさんといけば桁が違うね!」
「ユウがあればお金持ち」
「ですね!薬草もいっぱい取れましたし」
「今回は私は何もしてないから3人で分けてね」
「もらうつもりだったのか?」
「う、うるさいわね!ちゃんと断ってるでしょ?」
駄弁っていると。
「ユウ!ご飯行こ!」
「そうですね!今回は私達が奢ります!」
「おお!んじゃ居酒屋でもいいか?」
「オッケー!!」
よく行く居酒屋に連絡をして座敷を取っておいてもらう。
もう18時だからちょうどいいだろう!
タクシーで向かうと座敷に行く。
親父さんにミノタウルスの肉を渡して来たから何か作ってくれるだろう。
「居酒屋久しぶりだぁー!」
「私達はこの前来たわね?」
「な!お前は誤解されるようなことを」
「ねー!なーんで来たの?」
と頬を膨らませ聞いてくる。
「いや、こいつが泣くからさ」
「だ、誰が泣いたですって!」
と話も弾む。
「あはは、さて、これ食べたら帰ろうか!」
「「「はい」」」
「そうね、いい時間だしね」
と3人娘をタクシーに乗せて帰す。
「ほら行くわよ!」
「?まだ飲むのか?」
「まだ色々聞いてないからよ!」
BARに入ると俺はビールでイロハはモヒートだ。
「で?何であの3人な訳?」
「なにがだ?」
「何がも何もエコ贔屓でしょ?」
「あぁ、一回助けられてな!そこからの付き合いだしな」
「え、そうなの?あんたも危ない時があったの?」
「おう、死にかけたぞ?その時助けてくれたのが叶だな」
「そうなんだねぇ」
と一口飲むと、
「あとはなんでSジョブなのに燻ってたのかよ?」
「あの時は使い方がわからなかったからな」
「使い方?」
「『構築』に『分解』だろ?何をどう使えばいいかわからなかったんだよ」
「そうね、でも使い方がわかったわけね?」
「そう言うことだ」
「そう、納得いったわ」
「そらよござんした」
結局は夜中まで付き合わされて寝不足になった。
「うー、頭痛いなぁ。」
と部屋のベッドの上、うなってもしょうがないが、飲みすぎたな。
顔を洗いサッパリすると多少マシになった気がする。
さて、マジックバッグでも作ってみるか。
デザインはネットで見て女物のリュックに決めるとインベントリのなかで組み立てて行く。
革は前作っておいたものだ。
インベントリから出すと上手くできているな。
これに魔法を付与して行く。空間魔法と認識魔法を付与して行くが、結構難しいな。
1個目は失敗した。まぁまだ革はたくさんあるからな!
同じバッグを作成で作ってまた付与魔法を使ってみる。
12回目でようやくマジックバッグが完成した。
ここまで長かったが、付与する魔法は空間魔法と認識魔法の掛け方に問題があったようだ。
それにしても同じバッグが12個もできてしまった。一回作ったら『作成』で作れるからって作りすぎだな。
インベントリにいれて『分解』しておく。
あとは誰に渡すかだな。
と、電話が鳴りとると杏だった。
『父がはなしたいってさ』
「おう、」
『あ、相葉さん!この薬草は?』
杏の父は夢見製薬の社長だ。
「気づきましたか?上薬草なんで、ハイポーションが作れると思いますよ?」
『やっぱり!ありがとうございます!』
「いえ、たぶん作り方は」
『はい、大丈夫だと思いますんで、またできたら見てもらっていいですか?』
「はい!こちらこそよろしくお願いします」
『と言うわけで、父からでした!って教えてって言ったよね!』
「悪い悪い、そうだ!今度バッグをプレゼントするからそれで許してくれよ?」
『う、あ、な、なら許す!やったー!』
これでバッグを渡す人は決まったな。
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