第11話


 夢見製薬会社は自社ブランドのポーションを売り出した。

 それに伴い30階層からの薬草の採取依頼が増えたのだった。

 

 ギルドに行くと三人娘がいて、

「行きたい!30階層!」

「だめよ!私達はまだ無理だから!」

「そうね。もっと強くならなくちゃね!」

 と3人が言ってるのを聞くと手伝いたくなるがここは我慢だな。

「you入っちゃいなよ!」

「だめでしょ!ユウさんはソロなの!」

「でもいつまでもソロは厳しくない?」

「あはは、自分で勝手に決めれるから楽だよ」

「くそー!」

 杏が地団駄をふんでいるが、

「しょうがない!いってくるね!」

「そうね、行きましょう!」

「らーじゃー!」

「いってらっしゃい!」

 と見送り、3人は20階層からスタートしていった。


 さて俺も行こうかな。

「おい!お前なんのスキルボールだったんだ!」

 と聞いた声に振り向くと、お坊ちゃんだった。

「あ?なんで言わないといけないんだ?」

 流石に俺ももう関わりたくないんだが?

「お、お前が辞めてからうちの会社はガタガタなんだよ!お前には責任をとってもらうからな!」

「…ふざけてんのか?」

「な、なんだよ!少し強くなったくらいで凄んでんじゃねーぞ!」

「俺はお前達に良いように搾取されてたんだ、そのツケが回って来ただけだろ?」

「な、何がツケだ!いいから百万払え!」

 と片手を差し出してくる。

「は?何のためだ?」

「お前がとったスキルボールの値段だ!」

「は!あんなクソスキルでよく金を払えなんて言えるな?」

 10個とも使えないスキルだったじゃないか!


「これ以上なんかいうつもりなら裁判でもかけるか?」

「な!く。くそ!さっさと死ね!」

 と言って帰っていった。

「落ちぶれたもんだな」

 元の会社がどれだけ搾取してたかが分かるな。

「気を取り直していくか」

 ゲートを潜りモノリスで30階層まで行く。


 あんなことがあったからだろうか、無性に暴れたいので、今日は先に進むことにした。

 32、33階層と進み34階層、ブラキオス、首長竜が闊歩している。『斬撃』で首を切ると消滅するので近づかなくても倒せるのは良いな!

 ドロップはデカい皮と魔石だ。

 36階層はトリケラだ。

 三本角でダッシュしてくるのは戦車のようだな。

 “キンッ”

「かってぇな!」

 皮膚も硬いのでどうしようかな?

「アイスランス」

 一本の氷のランスがトリケラの胴を貫き消滅させる。

「ふぅ、何とかなってよかったな」

 ドロップはツノと魔石だ。

 36階層を探索していると宝箱を発見したので開けてみる。

「お!ようやくか!」

 初めてのスキルボール、しかも二つだ。

『斬撃』と『突進』か、『斬撃』は二つ目だし、やはりこれは3人娘にやるかな。


 37階層はプテラとグラスウルフなど数が多いな。

 とりあえずウインドアローでプテラは撃ち落としてトドメを刺し、群れで出てくるグラスウルフはミスリルソードで倒していく。

 プテラのドロップは比翼と魔石。グラスウルフは毛皮と魔石だった。

 薬草がなくなって来たが上薬草が増えて来て他にもリル草やバイデ草など新しいものも増えている。

 流石に疲れて来たのでここで休憩だ。コーラが染みて美味い!


 39階層、に上がると夜になっていた。月華草など新しいものがあるが、ここではブラックウルフと雷狼というのが群れで襲ってくるので神速を使って倒して行くが雷狼が放つ雷に打たれてブラックウルフに噛みつかれた、すぐに振り解いて倒したが、危なかったな。

 流石にポーションを飲んだが、まだ油断できないな。

 それからも39階層でレベル上げをして、

ステータス、


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

相葉 優アイバ ユウ 33歳

 ベースレベル55


 ビルダーLv45

 剣士 Lv50

 錬金術師Lv25

 大魔導士Lv30


 スキル

 S構築、S分解、A剣術、S神眼、S錬金、B集中、B修得、S神速、S魔法、A作成、A異世界言語、A体術、A斬撃、


 ユニーク

 インベントリ

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 となっている。これだけ上げれば行けるだろう。

 と言うことで40階層に挑戦する。

 門を開け、中に入ると森の賢者というツノの生えたゴリラだった。5メートルほどあるゴリラで早くも威嚇していて、サンダーボールを飛ばしてくる。

 神速で避け、こちらもアイスランスで応戦する。

 魔法合戦になってしまっているので、神速で背後に回ると腕で弾かれ壁に激突する。

「くそっ!」

 ポーションを飲むと、今度は近くまで行きフェイントをかけ『フレアボール』を放つ。

『グギャァァァァ』

 焦げた匂いがあたりに充満する。

 戦意喪失したのか逃げるので追いかけると罠が仕掛けてあったので避けて『サンダーランス』をお見舞いしてようやく消滅した。

 ドロップは角と皮と魔石だ。

 宝箱にはスキルボールで『雷電魔法』が入っていた。

「何とか勝てたな」

 41階層を見てから帰ろうと階層を降りてみると今度はジャングルになっていた。

「これは一筋縄では行かないか」

モノリスに戻り、1階層からゲートを潜る。

 受付に行き魔石とドロップを売りに出す。

 レザーアーマーが焦げているので更衣室で着替えてインベントリで強化しておく。

 番号を呼ばれたので行くと、

「Cランク昇格おめでとうございます」

「あはは、ありがとうございます」

 新しいカードに魔石が400万にドロップが500万になったのでかなり儲かったな。


「しかし今日は疲れた」

 さっさと家に帰って寝ることにした。

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