第10話
3人と別れて更衣室に入ってとりあえずレザーアーマーを脱いでインベントリに入れる。
上着はジャージとダウンだ。
出て行くとまだ三人娘がいた。
「ユウさん変わったよね?前はもっと細かったのに」
「そうか?そうだな。この前服が合わなくなって買いに行ったからな」
「ねえねぇ、今から暇ならご飯!」
と杏が言うので、
「そうだな!行くか!」
「「やったー」」
今度は違う店でしゃぶしゃぶだ。
もちろん、ミノタウルスの肉も切ってもらった。
「やったぁ!ミノタウルスの肉だ!」
「しゃーぶしゃーぶ!!」
「あっ!杏!一枚ずつにしなさいよ!」
「早い者勝ちぃー!」
と杏は食べて目を丸くしている。
「うまっ!」
「美味しいですね!」
「おかわりもあるからゆっくり食べなよ?」
酒も進み楽しく食べていると、
「ユウさんはいつまでソロでやるの?」
「んー、まだソロで困ったことはないからな」
「それが凄いんだよ!だってあたし達なんか3人でかなり辛いし」
「そうなのか?良いパーティーだと思うが?」
「んー、火力がないからねぇ」
そうか、火力かぁ。
「スキルボールとかはどうしてるんだ?」
「あ、あんなの高くて買えないよ!」
「それに欲しいスキルじゃないですしね!」
「ちなみに欲しいスキルボールはあるのか?」
「私は火炎魔法かな?」
「わたしは速くなるやつ!」
「私は剣技があれば良いんだけど」
んー、そのうち二つは持ってるな。
「探してみてるのか?」
「でも高い!ジョブはもってるからはレベルが上がれば取れるしね!」
そうか。レベルが上がれば取れるなら良いな。
「3人とも成長中ってことだな」
「そゆこと!」
たらふく食べてタクシーまで送る。
「じゃーな!」
「ご馳走様でした!」
「またねー!」
「ありがとうございました」
と3人を乗せたタクシーは夜の街に消えていった。
歩いて帰るとすぐに家に着くのはいいな!
ビールを持ってソファーに座り、テレビをつけると、A級冒険者がテレビに出ていた。
色々と有名になるのも大変だなぁ。
「ダンジョンがもたらしたものも多いがなくなったものも多いからな」
普通に生活してる人でもやはり冒険者は魅力的に映るものだ。
モンスターを狩り、その恩恵を世界に還元するんだからな。
“ティロリロリラン”
「はい?」
『杏だよー!あのね?父が変わって欲しいって』
「分かった」
『初めまして杏の父ですが、あの薬草を手に入れたのはあなたですか?』
「薬草とわかってくれましたか、よかったです」
『そうですか、あなたと会って話がしたいのですが?』
「分かりました、いつがいいですか?」
『明日の午後はどうでしょうか?』
「はい、では、明日ギルドでお待ちしております」
すると杏に変わって、
『杏だよー!あれって、薬草だったの!なんでいってくれないかな!』
「あはは、わかる人に知って欲しかったからだよ」
『ぶー!明日私もいくからね!じゃーね!』
よし、分かってくれる人でよかった!
これで薬草を取る人も増えるだろ!
次の日は12時前にギルドに着いたが、もう二人とも待っていた。
「すいません、遅れました!」
「いえいえ、私が速く終わったものでして」
「こちらが父です」
「わかってるよ?」
「ぶー!」
杏のお父さんが運転する車でレストランに行き個室で食事をする。
「あの薬草は?」
「ポーションの原料ですね。これが私の作ったポーションです」
とポーションを渡す。
「おぉ!凄いですね!これは大発明ですよ!」
「あはは、私のスキルで分解して作ったので大発明ではないんですが」
「いえ、これからは薬草さえあれば作れる時代になってきます!薬草はどこで?」
「ダンジョンの30階層からダンジョンの質が変わるのはご存知ですか?」
「いえ。初めて聞きました」
「30階層からは草原で森や川もあります」
「そこで取れるのですか!それは凄いですね!」
杏の父親は身を乗り出してくる。
「父、邪魔だよ!」
「あ、すまんな」
「このポーションと薬草はお渡ししますので、作ってみてください!」
「え!あなたの名前は?」
「私は一冒険者でいたいですから」
「…なるほど、それでは共同開発ということでどうでしょうか?もちろん名前は控えさせていただきます」
「それなら良いですよ?ではレシピはここに」
「レシピまで!!ありがとうございます」
杏の父親は少し涙目になっている。
「父、泣くな!」
「お、おぉ!これからですね!」
「はい!また薬草を取ったらお嬢さんにお渡ししますね」
「はい!杏!よろしくな!」
「分かった!」
ギルドまで送ってもらい杏と父親は帰っていった。
熱い人でよかったな。
さて、時間もあるし薬草でも取りに行こうかな!
カードを通してゲートを潜るとモノリスに触れて30階層からしたに潜ると大草原だ。
「よし、薬草を取って行くか」
薬草、上薬草、解毒草など錬金できそうなものは全て取って行く。
時折グラスファングが攻撃してくるのですぐに倒して採取に戻る。
キノコなどもあるのでこれがなにになるかが楽しみだな。錬金術は取っておいてよかったな!
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