第4話

14階層はスライムだ。

 『神眼』で核を見切ってきるとスライムゼリーと魔石がドロップする。

 酸性のようで剣が刃こぼれして行くが、コレは『構築』で直せるからこのまま進んでいく。


 15階層は馬鬼だ。

 直線的な動きだが素早いので避けながら傷を増やして倒している。

「ふぅ、なんとか15階層まできたな!」

 ドロップは皮と肉と魔石だ。


 ここで引き返すか、先に進むかだな。


 結構な時間が経ったが先に進むことに決めた。

 行きも帰りもどっちも時間がかかるなら気をつけて先に進むことにする。


 16階層はトレントだ。木の化け物だな!

 火魔法が使えれば良かったが使えないので斧を『構築』して持ち替えると隙を狙って斬り倒す。

 トレントは触手を巧みに使ってくるが全部切ってしまえばどうってことないからな!

 ドロップはトレントの木と魔石だ。

 トレントは火に弱いが木材になると燃えにくい建築素材になるらしい、不思議な木だ。


 トレントを倒していると宝箱が出たので『神眼』で罠を解除して開けると重激の指輪というのが出た。コレを装備して殴ると重激になるらしいが、俺はあいにく要らないかな?インベントリに入れておく。


 17階層はハーピィで、飛んでいるので爪で攻撃してくるところを斬るしかない。

 一体一体に時間がかかり、こんな時に魔法が使えたらと思うな。

 ドロップはハーピィの羽と魔石だ。両翼が落ちるのでなかなかエグいが、コレは金になるからインベントリに入れる。

 枕や布団の高級素材として知られているからな!


 18階層はダンシングソード、剣が空中に浮かんでいて斬ってくるのでハンマーに持ち替えてぶっ叩いて壊す!ドロップは剣と魔石だ。

 ほとんど残るのでいいけど、人じゃない分気をつけないとどんな動きをするのかわからないからな!


 19階層はマッドモンキーで通路を縦横無尽に駆け回り引っ掻いてくる。『神眼』で捉えて倒しているが疲れるし多い!

 なかなか引っ掻き傷が多くなって来たのでポーションを使おうか迷ったが、さすがに使いすぎなので我慢だ。

 ドロップは毛皮と魔石だ。

 猿の毛皮に需要はあるのか?

 まぁ持って帰るけどな。


 次はいよいよボス部屋だ。

「よし!準備はオッケーだな!」

 『構築』で剣やハンマーなどは直したし、身体も問題ない!

 20階層のボス部屋に入る。


 中にいたのはオーガだ。3メートルはあるしでかい体躯に赤黒い肌をしている。


 ちょっとビビったが、とりあえずハンマーで足を狙おう。

「おらぁぁ!!」

『グアァァアァ』

 と思ったよりも効いたみたいだな!関節のところをもう一度叩くと完全に関節から折れたようだ。


 少し離れて様子を見るとそこから動けないようなので剣に持ち替えて瞬歩で後ろに回り込み首を斬ると消滅した。


 あっけなく終わったボス戦だったが、ドロップに金棒とソフトボール大の魔石。

 宝箱も出て来て、罠を解除して開けるとミスリルソードがでてきた。

 ここはボーナスステージか?


 いや、足が弱点だったのだろうな。

 21階層の階段手前のモノリスで外に出る。

 ゲートを潜るとギルドの中で大声で叫んでいる声が聞こえる。


「だれか、ポーション持ってないですか!」

 と叫んでるのはさっき助けてくれた女の子だった。人は遠巻きに見てるだけかよ!!

 俺は走っていき、

「ポーションはあるぞ!早く飲ませろ!」

「あ、おじさん!ありがとうございます!」

「いいから早く!」

 二人が重症だったようでポーションは2本しかなかったが、足りて良かった。


「どうしたんだ?こんなに怪我して」

「ボスで手こずって、って、え?一人で倒して来たんですか?」

「ん?オーガ?あぁ、あれは」

 とコツを教えるとハンマーを売ってくれと言われたので助けてもらったお礼にあげることにした。


 ポーションが効いたのか二人が起き上がって、

「あ、ありがとうございます。私達は見捨てたのに」

「すいませんでした」

 と衝撃の告白をしている。

「え?!そうなの?この子が助けてくれたからてっきり一人で大丈夫だと思ってたんだろうなと」

カナエはなんにでも首を突っ込むから…でも助けられたのに無視しようとした私達を助けてくれてありがとうございます」

「いやいや、結果的に助けてもらわなかったら俺はあそこで死んでたからね」


 この子達は三人パーティーで剣士の今井叶イマイカナエと魔法使いの近藤コンドウクリスと斥候の夢見杏ユメミアンズでダンジョンの20階層に今日初挑戦だったらしい。


「あの、ポーションのお金は少し待ってもらっていいですか?」

「いいよ、あれはお互い様だからさ」

「いえ、ちゃんと返します!」

「わ、わかったよ」

 ポーションの値段は一本100万はするぞ?

「番号交換してもらっていいですか?」

「あ、あぁ」

 インベントリからだすと、

「え!アイテムボックス持ち?」

「コレはインベントリって言って、まぁ、アイテムボックスと一緒かな?」

「凄いですね!私達なんか三人で背負って来てコレだけですから」

 とリュックを指差す。

「あはは、もったいないよね?でも焦らないで頑張ってよ」

「はい!」

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