第41話 社長室にて

 数日後、隼人が経営する会社の

社長室に、男性社員が入って来た。

 「神谷社長、ご報告があります」

 「どうした?」

 「ショコラの特注の注文が……」

 「それがどうかしたのか?」

 「特注の発注元が、遠山財閥の

ご令嬢、遠山鈴香様直々にご連絡が

入りました」

 「そうか……」

 と呟く隼人に、社員が更に報告を

続けた。


 「それが社長、特注のショコラ……

新作の『HIKARU』をと……」

 

 それを聞いた隼人は微笑むと、

 「そうか……それはよかった。

試食会イベントの成果だな……」

 

 社員も嬉しそうに、

 「あの『HIKARU』は我が社のイチオシ!

なんせ、社長自らネーミングされましたからね」

 と目を輝かせた。


 「遠山財閥のご令嬢から直々にご注文

頂いたのなら、迅速に、丁寧に仕上げてください」


 「はい、かしこまりました」


 と言うと社員は社長室を出て行った。


 窓辺に立つ隼人は、タワーを見つめると、

 「さぁ、ここからだ……」

 と呟いた。

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