第37話 変わらぬ日常

 隼人が片陰の街から姿を消して

半年以上が経った……。

 

 彼がいない陽の当らない街は、

今日も古い鉄錆の匂いと、

湿った石畳とアスファルトの匂いが

交差する……。


 「ご来店、ありがとうございます。

ナンバーワンのコトと申します……」

 

 店には、金持ちの男達が、

大金を落としに遥か遠い場所から、

この街にやって来る。


 「おじさ~ん。ラーメンひとつ」

 「レイ、今日も元気だな」

 「そう思う? じゃあ、おまけしてよ」



 何も変わっていない日常が……

今日も始まる。


 そして……

 「レイ……お待たせ」

 「うん。じゃあ、コト行こうか」


 今日も変わらぬ

一日が始まる……。

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