第36話 そして、舞台は……
次の日の早朝、
朝霧が立ち込める頃……
バイクにまたがる隼人。
「兄貴、気をつけて……」
「ああ、レイもしっかりと傷直せ!」
「なんかあったら、絶対連絡してよ」
「わかったよ」
「隼人……無茶はしないで」
コトが隼人の首に抱き着くと、
彼の唇に自分の唇をそっと重ねた。
ヒュ~、レイが口笛を吹いた。
「コト?」
隼人がコトの目を見つめると
コトは、隼人から慌てて離れ、
「ちゃんと、無傷で帰ってきたら、
私の身体をあげるから……」
と言った。
コトの言葉を聞いた隼人は、
「だから、コト、俺はおまえには
指一本触れないんだ!」
と笑って彼女の頭に手を置いた。
「じゃあな……」
そう言うと隼人はバイクの
エンジンをかけ、二人の前から
走り去った。
隼人の後ろ姿を彼が見えなくなるまで
見送るレイとコト……。
ただ、ただ、ヒカルと隼人の無事を
祈るのみだった。
隼人は『片陰の街』を後に、
ドリーム・タウンへと向かう。
そして、物語の舞台は『ドリーム・タウン』
へと移っていく……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます