第23話 悪夢
「い……いや、助けて……」
「……カル? ヒカル……」
うなされるヒカルに声をかける隼人。
ハッとして目を開き、目覚めたヒカルは、
ベッドの上に慌てて起き上がった……。
「ヒカル……大丈夫か? うなされてたぞ」
ヒカルの両肩を握りしめる隼人……。
「う……ん。大丈夫……」
「そうか……怖い夢でも見た?」
ランプを灯し薄明りの中、
隼人がヒカルの顔を覗き込む。
「ヒカル?」
隼人の目の前に、両手を口元にあて、
ガタガタと震えているヒカル……。
ヒカルは、隼人の顔を見ると、
彼に抱きついた……。
「ヒカル……どうした?」
「怖い……何かわからないものが……
黒い影が、私を……私に……」
ガタガタと震えるヒカル。
「ヒカル……ヒカル落ち着け! 大丈夫だ。
大丈夫……」
隼人がヒカルを強く抱きしめる……。
隼人の腕の中で、怯えるヒカル。
「大丈夫だよ。ヒカル、大丈夫だ」
ヒカルの頭を撫でながら、優しく
語りかける隼人……。
徐々に落ち着きを取り戻したヒカルを、
ベッドに寝せた隼人……。
隼人は、ベッドサイドに腰を落ろし、
ヒカルの頭をなでながら、
「ヒカル……俺が傍にいるから、
安心して眠って……」
「隼人さん……」
ヒカルはそう呟くと、安心した表情を
見せ、暫くすると眠りについた。
ヒカルの寝顔を見つめる隼人……。
「ねぇ~、隼人眠れない……」
「仕方ないな~、ほら……」
「やったぁ……」
「美雪は、変わってるよな。
頭撫でたら眠れるなんて
あっ、もう寝ちゃった……」
遠い隼人の記憶が蘇る……。
ランプの灯りを拭き消すと、
隼人も毛布を被り眠りについた。
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