第4話 謎の男達

 「いたか?」

 「どこにも、いません……」

 「探せ! まだそう遠くには

行ってないはずだ!」

 「はい……」

 数人の黒ずくめの男達が一斉に走り出し、

次々にその場を離れて行った。


 残ったダークスーツを着た男が二人。


 「大丈夫なのか?」

 「あぁ、どうにかして探しださないとな」

 「これだけ探してもいない……となると……」


 「まさか……」

 「考えたくはないが、あの街に逃げ込んだ

としか思えない……」


 「『片陰の街』か……。

 好都合か、不都合か……

やっかいだな。

 俺ににとっても、おまえにとっても……」


 「とにかく、下の者に探させる。

 だからK、おまえは動くな……」


 「わかった……。後を頼むよ」


 そう言うと、Kと呼ばれた男は

煙草に火をつけ、軽く息を吐いた。


 遠くに見える片陰の街……。


 今夜も男達を誘い込むネオンの光が

一直線に夜空に放たれる。

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る