第23話
「こりゃいかんな、小娘!前方に魔力を集中させて結界を張るんじゃ!」
「……こうですか……!?」
『Reflection of Anti Magic !!!!《対魔術結界》』
前方に気を込めると、ガラスドームの様な結界が出現し、攻撃を防ぐ。
「ちょっと!?おじいちゃん!なんでアイツに助け舟を出すのよ!!!!」
「すまんなアリス。これじゃ、死傷者が出てまう」
アリスは私が結界を出すとしばらくして、攻撃をやめてしまった。
「チッ!今回は引き分けよ!私、これから制服の採寸に行くから!じゃあね!!!!」
アリスは私に捨て台詞を吐いた後、すぐに行ってしまった。
「なんだ引き分けか」
周りの観客は呆れて広場から立ち去る。
「おい、小娘。魔導書が欲しいんだろう?売ってやる。店に戻るぞ」
「いいんですか?引き分けだったのに」
私たちは店に戻った。
「あの勝負、あのままアリスが攻撃をし続けていたら、お前が勝っていたよ」
「それはアリスさんが杖や魔法発生装置を使ってないからですよね」
「そうだ。わしらの家系は、古来より魔法使いの一族でな、今まで杖を使ってこなかった。それはアリスも例外ではない。だが、大きな火力を出せる一方、大きな弱点がある」
「魔力を消費しやすい……!」
「そうじゃ。アリスはそれが顕著でな。後先を考えずに、初めから大火力を叩き出して、敵を負かしてきた。じゃが、それは魔力を浪費しやすい。
先程の勝負で、アリスが攻撃をやめたのは自身の魔力切れで負けるのを恐れたからだろう」
「あの……。今日はありがとうございました」
「用が済んだらさっさと行け」
私は店を後にした。
「流石、ジョウンの娘じゃ」
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