第22話


 私たちは広場に出た。広場には、噂を聞きつけたのか、沢山の人が集まっていた。


「爺さん、誰だあの子」

「さっき来た客だ。教科書を売ってもらうために勝負するらしい」

「なぁ、大丈夫か?爺さん。あの子見るからに、ひ弱そうじゃないか」

「さぁな。わしは知らん」


私は万年筆を構える。

一方、アリスは何も構えなかった。


「では、行くわよ!」

「望むところです!」


アリスは仁王立ちで、かつ無詠唱で自身の背後に魔法陣を展開させた。

水でできた魔法陣には六芒星のような模様があった。


アリスが魔法陣を展開させた瞬間、観客は初っ端からその全く手を抜かない豪胆な姿勢に、唸る。




「「「うおおーーーーーー!!!」」」



「受けなさい!!!」


水は魔法陣から螺旋を描くように、放出し、私を狙いホーミングする。

水の先端は針のように鋭利になっており、当たったら即死も免れないだろう。


私の魔法では対処できない。そう感じた私は、猫から逃げるネズミのように逃げ回る。


「逃げたって無駄だから!!!ほら、アンタのご立派な魔法を見せてよ!!」


アリスは挑発する。そして攻撃を再開する。


「キャハハ!!!!」

笑いながら、獲物を狩る。その姿はまさに戦闘狂だ。


『Basic Flame!!!!!《 基礎 炎》』


私はついに、反撃した。


フェニックスの形をした炎がアリスを目掛けて特攻する。

水に対して炎は、不可抗力だろう。だが、私が使える魔法はこれしかなかった。


アリスは一瞬、驚きの表情を見せたが、すぐに切り返した。

アリスは自身の周りに水を集めたことで、私の魔法を防いだ。

だが、フェニックスの炎の猛攻は凄まじく、アリスは一歩後退してしまった。


「水に対して炎!?

アンタ、バカじゃないのの????!!!」


アリスの逆鱗に触れたようだ。


「私は杖や魔法発生装置は使わない!!その方が、最高火力が叩き出せるからよ!!」


アリスの攻撃は先程よりもさらに、水の勢いが増し、私に向けて、一気に放出した。


「キャッアハハハハ!!!!❤️」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る