第7話
集合指定場所は校庭だった。青々と生い茂る芝生が空の霧のように一面を覆い尽くしている。
「では午後の実技の試験内容の説明をいたします。今からあなた達には宝探し迷宮をやって頂きます」
先生が杖を振りかざすと轟音と共に校庭に、高さ五メートル以上ある生垣の巨大な迷路が出現した。
「この迷路には、各グループ一つずつ宝石が埋まっています。それを掘り当て、ゴールする事によってはじめて合格とします。尚、宝を掘り当ててもゴールできなかった場合、即、不合格といたします。
また、魔法を使用する事許可しますが他人を負傷させた場合、不合格とします。それでは各グループずつ並んでください」
皆、昼休みのうちに声をかけていたのか、すぐに各々のグループが揃った。
私のペアは確かシリルという人だった。皆、グループを組み終わっていたので、端っこに一人でいる人がいたのでその人がシリルだという事がすぐに分かった。シリルも私の顔を知らなかったので、もじもじしていた。
「シリルさんですよね。ビクトリアです。よろしくお願いします」
「・・・・よ、よろしくお願いします」
みぞれの様に淡い白銀色のウェーブががった髪。私より背も低が低く、声も高いので性別の判断がつかない中性的な容姿が、水でも無く氷でも無いみぞれの風貌に私は当てはめた。
「何だよ!お前とかよ!」
「仕方無いだろう。これは試験だ」
亜麻色髪の少年は金髪のお坊ちゃんと同じグルーブだった。
私はその性格の正反対さにクスッと笑ってしまった。
「では位置についてください。制限時間は一時間となります」
鈍い、鐘の音が鳴った。
「それではスタートして下さい」
みんな、走り出した。
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