個人的に思う名作の条件

 良い意味でも悪い意味でも、なんでも「個人的な感想です」という予防線を張らなければ、面倒なことに巻き込まれますからね。すでにカクヨムでも経験済みです。


 ――と、いうことで。


 今回は個人的に思う〝客観的にみた〟名作の条件とは何なのか、というお話ですね。予防線で言葉が渋滞していますね。〝個人的〟なら〝主観的〟ではないのかと。


 前置きは以上です。また、このお話は「カクヨム内の作品限定」であるということを付け加えさせていただきます。


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 はい、結論から申しますと――。私の思う名作とは「コメント数の多い作品」ですね。★の数でもPV数でもなく、〝これ〟一択だと思います。


 具体的には「コメント数>話数」である作品こそが、名作である証明です。


 つまり「1話完結ならば、2コメ以上」で〝名作〟ですね。自主企画などでもない限り、投稿したところで1コメも付かないことなんてザラですので。「これは良い反応がもらえるぞ!」と思っても、実際はスベることが大半です。ですので2コメもいただければ、充分に名作であると思われます。


 もちろん特定のエピソードに集中するよりも、全エピソードにコメントがついているのが望ましいですね。さらに〝読み専〟さまからのコメントならば完璧です。



 当然ながら、いわゆる営業コメントは除外します。もはや論外です。


 「面白かったです! 続きが気になります!」というやつですね。「どの作品にもコピペして貼り付ければオッケー」というアレは除外です。実際、どの作品にも付いています。営業をするにしても、せめて「なにが」を付け加えるくらいの労力は必要でしょう。相手の作品へのリスペクトがなさすぎです。


 〝これ〟を削除しなければ「悪徳業者からのマーキング」がごとく、次々に営業マンがやってきます。そして序盤のPV数だけが異常に増え、「駄作」の証明にされがちな〝離脱率〟が上がってゆくわけです。


 そうなると墓場です。営業ではなく営業妨害行為です。せめて★を残してくれるなら別ですが、悪質業者は土足で汚していくだけです。


 コメント欄が〝これ〟で埋まっている作品を見ると、本当に悲しくなります。作者さまご本人が喜んでおられるのならよいのですが。大抵は〝エタる〟原因になるんですよね。作品を愛する者としては、これが何よりもツライ。


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 この「コメント数>話数=名作」の定義なのですが、私個人の好みとしては、あまり当てはまりません。コメント数が少ない作品でもレビューで「名作」と書きますし、私自身、「コメント」をするよりも「レビュー」を書く場合もございます。


 なぜなら「コメントを書くくらいならば、その文章をレビューのために温存しておきたい」という魂胆があるんですよね。私が望むのは「作者同士の交流」ではなく、「まだ読んでおられない読者さまへ『名作』を宣伝すること」ですので。


 私はあくまでも「作品」を愛しております。作者さまを記憶する際にも「あの作品を執筆されておられる作者さまだな」という感じで記憶しております。作品以外にも「ファンタジー」や「純文学」など、メインジャンルで記憶する場合もありますね。


 あくまで「作者」の場合ですので、「読み専さま」の場合はしっかりと個人で記憶しておりますからね。ご反応を頂戴できると大変嬉しく、いつもモチベーションをいただいております。本当にありがとうございます。


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 話を戻しますが――。やはり序盤からコメントが5つも6つも付いている作品は、間違いなく★も伸びてきます。そうなると名実ともに「無敵の名作」です。特にカクヨムの評価は「連続スター方式」ですので、序盤の瞬発力こそが重要です。


 「連続スター方式」とは、私が勝手に名づけました。昔の「配管工のゲーム」にあった、「スター(無敵)状態でブロックを叩いた場合にのみ出現するスターを連続で取り、ずっと無敵状態でゴールまで突っ走る」というアレですね。



 つまり序盤で★を獲得してランキング上位に食い込むことで、読み専さまの目に留まり――。さらに★を獲得することでランキング上位を維持し続け、継続的に★が増えるという感じです。カクヨムでは短期間に★を獲得できなければ、読まれる機会すら失くします。〝たまーに〟★を貰ったとしても、すぐにランク外に落とされます。


 この「連続スター」の起点となるのが、まさにコメント数ですね。コメントがたくさんあるということは、「盛り上がっている作品」だということです。特に日本人の気質として、行列には並びたくなる傾向にあります。一度「行列」が出来れば勝ちです。明らかに低品質の商品でなければ、誰かしらは買ってくれるものです。


 逆に最初の客が来るまでは、いくら店や商品が良くても、遠巻きに様子見をする人が多いですからね。文化祭でもコミケでも、何かしらの店をやったことがあれば経験があるかと思われます。最初の客が来るまで数時間、その後は即完売なんてことも。


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 そもそもコメントが付くということは、それだけ読み手の関心を引く、いわゆる「フック」が多いということです。なかにはコメント欄を先に見て、「こういう展開があるなら読んでみようかな」と思う読者さまもおられるでしょう。そして作者さまの返信を見て、人柄を気に入られる方もおられるでしょう。――逆もしかりですが。


 私も、どちらかと言えば「このタイプ」です。私の場合は読みたい展開というよりも、苦手な要素(性暴力など)が〝ない〟なら読むといった感じですが。


 また、作者の返信において「熱心に世界観や設定の話」などをされていると、非常に興味をそそられますね。それだけ作者さまが自作を愛しておられるということなので。そういう作品は、ぜひとも読みたくなります。時間的な都合での休載はともかく、少なくとも「ネタ不足でエタる」可能性は低いですし。


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 特にWEB小説はスピードが命です。「序盤5話くらいでフックが無ければ、いくら面白かろうと見向きもされない」と云われます。人によっては「1話や3話で切る」という場合もあるでしょう。


 そうした場合でもたくさんコメントが付いているエピソードがあれば、「そこまでは〝平坦〟でも我慢しようかな」と思ってもらえる可能性もあります。



 それでも「長編の50話目」などでは厳しいので、出来れば10話以内に引っかかりがあるのが望ましいですね。とはいえ本格ミステリなど、作品の性質によっては簡単にはいかない場合もありますので、こうした作品である場合、読者からの「コメントの助け」があると、書き手としてはとても心強いかと思われます。


 もしもお気に入りの作品がスロースタート型の場合は、コメントで応援してみてはいかがでしょうか。物語が大きく動き出すまでは、雰囲気や登場人物の魅力で引っ張ることもできますからね。



 ちなみに私の代表作ですが、もちろん「名作」の条件は満たしておりません。

 コメントをいただけるよう頑張ります。もちろん営業以外の。

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