第2話 ガルミッシュ 修正版

※この小説は「ドイツを旅して」の修正版です。実は、パソコンの操作ミスで編集中に保存できなくなり、新しいページで再開した次第です。文言や表現を一部修正しています。もう一度読み直していただければと思います。


トラベル小説


 朝8時、レストランに朝食をとりにいった。機内で寝なかった分、ぐっすり眠ることができた。朝シャワーが気持ちいい。

 レストランで昨日のCAさんに会うことができた。向こうも私の顔を覚えていてくれていたらしく

「おはようございます」

 と先にあいさつをしてくれた。他のCAさんもいたので、それ以上すすみはしなかった。妻が天国で見張っているような気がした。

 ホテルをチェックアウトし、レンタカーを借りにいった。以前にも借りたA社のレンタカーだ。今回は一人なので、コンパクトカーでもいいと思っていたのだが、ナビ搭載車をリクエストしていたらメルセデスベンツのCクラスになってしまった。スイス旅と同じだ。妻が

「後席は特別席よ。ふだんのコンパクトカーとは大違いね」

 と言っていたのを思い出した。もうひとつ思い出したことがあった。ナビがドイツ語仕様なのだ。さすがにドイツ語では聞き取れない。カウンターに戻って

「Navigation language , change please . 」

(ナビの言語を変えてください)

 と頼んだら、担当のスタッフを呼んでくれた。ヨーロッパは分業がはっきりしているので、カウンターのスタッフはカウンター以外の仕事はしない。ここらへんがオールマイティの日本と違うところだ。

 なんだかんだで1時間を要して、やっとスタートだ。いつも使っているクルマより車幅が広いので、カーブでは気を使う。空港を出ると、すぐに高速の入り口になる。めざすはガルミッシュだ。

 1時間も走らないうちにアルプスが見えてきた。高速を降りて一般道に入ると、のどかな田舎道になる。ガルミッシュの町に入るとフレスコ画の壁の家が増えてくる。妻が車内から盛んにシャッターをきっていたところだ。昼前には、目的地のロープウェイ乗り場についた。閑散期なので、すぐにチケットが購入できた。ダウンジャケットを着込み、ゴンドラに乗り込む。山頂駅は氷点下の世界だ。およそ10分で山頂駅到着。足元はアイスバーンだ。普通の革靴なので滑らないように気をつけて歩く。展望台の標高はおよそ3000m。360度の眺望だ。ドイツのみならず、オーストリア・スイスそれにイタリアの山々まで見えそうなくらい遠くまで見える。30代の時にベルギーに駐在していたことがあり、その時に来たことがあり、30年ぶりの景色を見ることができた。帰りのロープウェイでドイツ人老夫婦に2歳の娘が拉致(らち)?され、抱っこされ続けていた。ゴンドラを下りたところで返してくれたが、何と言ったらいいのかわからなくて困っていたことを思い出した。

 アイプ湖のほとりのアイプゼーホテルにチェックインした。4つ星の高級ホテルだが、閑散期なので思ったより安く泊まることができた。30年前は泊まらずにテラス席でビールを飲んだだけだった。

 部屋はアイプ湖が見えるツィンルームだった。リゾートホテルなので一人で1泊だけというのは珍しいようだ。

 夕食はビュッフェスタイル。ドイツ料理はさほどおいしいものはない。でも、ビールのつまみはおいしい。サラミやソーセージ、ポテトのガーリック炒めは結構イケる。なんといってもビールは最高だ。いつもはジョッキ1杯で終わるのだが、2杯飲んでしまった。

 湖とアルプスに囲まれた最高の景色ですっかり酔ってしまい、ぐっすり眠ることができた。

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