第6話

「あっれーー??見たところ、あなたはただの被害者のようだったんですがーー。その様子だと、何か後ろめたいことでもあるんですかねえ?」



「…違っ」



「まあまあ、一杯お茶でも飲んだら帰してあげますよ。」



と言うものの、男は抵抗し続ける。



それを見兼ねた沖田は、ふうっと溜息を着くと一言。



「悪く思わないでください。悪いのは貴方ですから、たぶん。」


「やめっ…!」



男の鳩尾を思いっきり殴ると、がくりと気を失う。



怯える中年男に見向きもせず、沖田は遠くから駆けてくる隊士を目で捉えた。



「あ、山野さーん!」



「沖田さん、大丈夫ですか?」



沖田より少し背の低いその隊士は、山野というらしい。



どうやら、騒ぎを聞きつけて来たようだ。



「大丈夫です。この人たち、連れていきますよ。」



よいしょ、と倒れた男を担ぎ上げると、彼らはいそいそとその場を退散したのだった。

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