第9話

「気をつけなよ。」



早くも一つを平らげ、もう一つのケーキにフォークを突き刺したリンは珍しく声を落として言った。



「あんた達は確かに強いけど、壊れたらすぐ終わりなんだから。」



「それは生身の人間も同じでしょ。」



「そうだけど。」



もぐもぐとケーキを頬張る彼女を横目に、ゾーイはようやくランチを食べ終える。



改造人間サイボーグの最期って悲惨だから。あんたのそんな姿、見たくない。ヒューイだってきっと…。」



リンはそう言って、ゆっくり瞬きをしたあと、何かを振り払うように最後のケーキを口に放り込んだ。



「お互い様。来月のブルーベリーのケーキ、食べなきゃいけないんでしょ。」



だから成功させるわよ。ゾーイはその言葉を珈琲と一緒に飲み込み、心の中に落ち着けた。

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