Detective 1

第1話

篠原 宮という名の探偵と出会ったのは、かれこれ2年ほど前。



昼ごはんを食べ終えて、仕事に戻る途中だった。



いよいよ空模様が怪しくなってきたぞと、小路を縫うようにして歩いていると案の定、土砂降りの雨にうたれた。



「折りたたみ傘、会社に置きっぱなしにしてきたってのに」



でもまあ、ただの夕立だろう少し待てばすぐに止みそうだ。とりあえず僕は近くのうどん屋の軒下に逃げ込んだ。



今度、食べに来ますんで今日は軒下をお借りします、と心の中で念じる。



少し雨にあたっただけで髪もスーツもびしょ濡れだった。

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