第6話 ケントの行方

そして、翌日。

お店に来ていたスーツ姿の男性から「此処にケントってロボットが居るはずなんだが」と呼ばれてケントの姿は無かった。

シュウケイが「外に居るはず」と外を見るとプランターに水をやっていた所でケントは、男性から背中の電源を切られた。

そこにナオが「あ、ケント君。どうしてケント君を持って行っちゃうんだろう?」と物影に隠れて見ていた。

ナオが「あの、ケントに何か用なんですか?」と2人組の男達に尋ねた。

男は「悪いね。お嬢ちゃん?このロボットは不良品でね。今から修理しなければならないんだ」とナオに話し掛けた。

ナオは「そんな訳ないでしょう?返しなさい」と男の体にしがみつくと、睡眠薬をタオルにつけて眠らされてしまった。

ナオは、その場に眠ってしまうと「ん?あれ?ケントは」と目を覚ました。

そこには男達もケントも居なかった。

ナオが「シュウケイさん。ケント君は、どうして連れて行かれたんですか?」と尋ねた。

シュウケイが「ごめんな。わしのお店がうまくいってなくて、実はあのロボット自体壊れて居なくて金目当てでケントのネジを売ったんだ」と申し訳なさそうに話を始めた。

シュウケイが教えてもらった集積場まで自転車で向かうと、部品を取られたケントの部品が落ちて居ないか確認すると、その内の全部の3つのネジが見つかり、ケントの身体に全部嵌めて、ナオは涙を流しながら、「私はケント君が好き」とケントにキスをした。

次の瞬間、ナオの涙で、ケントは普通の男の子に戻って行ったのだった。

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君はテトラポッド 影山 みはつ @mihatsu1865

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