第12話

もっともっと、ときつく抱きしめるよう願う私を背中をさすりながらうまくなだめる雪斗くん。




胸から上だけ少し離されて、お互いの顔が見える。



やだ…

急に恥ずかしくなった。




俯いた私を見逃さない雪斗くんに顎をくいっとされてまた目が合う。



今度は、顎を支えていた手が頬をなぞる。


くすぐったい、けど心地いい。


目を閉じてクスクスしてたら、


ーかわいいー


って雪斗くんに言われたからとてつもなくびっくりした!!!



でもすぐに、はじまってるんだった、て思い直して冷静になれた。


それでもすごく嬉しかった。

嘘でも言われてみたかったから。

女の子女の子してしまいたくなる。


わざと上目遣いなんてしてみる。


また雪斗くんがかわいいって笑ってくれる。



そして




ちゅっ。




ちゅ、ちゅ、ちゅぅぅー…







???????





頭の中が真っ白の私はトントンと雪斗くんの胸を叩いた。






ーどうかした?ー



なんて、さも不思議そうな顔して聞かれたけれど。



これはーーーー






ーもしかしてこれが、キス?ー





目をぱちぱちさせて雪斗くんからの返事を待った。

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