第7話

1ヶ月ぶりだったから、好きが募りすぎて、おかしくなってしまったのかもしれない。




シャワーを出てきたあなたが、ベッドに腰掛けて水を飲む。



私もシャワーをして着替えた。



TVをボーッと見ていたあなたの目の前に立つ。




一瞬びっくりして、どうしたのって優しく聞くから。



ーかわいい?ー



そんなばかみたいなこと、言っちゃってた。

あなたは本気で何のことかわからないといった顔をしていて、もう笑いそうになってきた。



ワンピースの裾を持ってくるっと回ってみせた。



ああ、かわいいね。



察したあなたが1ミリも思ってないくせにそう言ってくれた。


もう私との用は済んだあとなのに、まだ優しい。



調子に乗る私。



ーいつも、会う時はおろしたての服で可愛く見せようとがんばってるの!ー



眉を下げて笑うあなたにも、めげない。



ー今日は1ヶ月ぶりに会うから更に気合いを入れちゃった!ー



腕時計をはめながら、そっかそっか、てあなたが言う。



どうでもいいよね

ごめんね

でも、大好きよ。

腕時計はめてる腕の血管にもドキドキしちゃうの。

濡れた髪からしたたる水滴にも恋してる。

あなたに見つめられると話せなくなるから、いつも興味なく、見つめないでくれてありがとう。

でもほんとは、私を見てほしい。






ー髪色も変わったの、気づいた?ー






どうしたの、莉月。







少し、怒ってる…?


めんどくさい?どうでもいい?


わかってる


わかってるんだよ。








ー雪斗くん、お願い、聞いてくれる?ー

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