第6話
ふたりして汗ばんでくる。
荒い呼吸。
もういっそ、このまま。
ずっとこうしてたい。
一生懸命あなたにしがみついて、ただ鳴く私。
気持ちよさに気が狂いそう。
どさくさ紛れにぎゅーぎゅーと抱きついて、幸せを噛み締める。
私の頭の中ではあなたが、私に好きだ好きだと言うから。
私も頭の中で、好き!好き!と叫ぶ。
あ、泣いちゃいそう
"イッていい?"
とても苦しそうにあなたが言う。
でも決まって私の返事は同じ。
嫌、と。
だって、もう終わってしまうでしょう?
どさくさ紛れにぎゅーしてるのに、頭の中で愛を叫びあってるのに、このあなたの温もりから離れたくないのに。
あなたがイけば、終わる。
だから嫌だ、と。
でもいつも、あなたは勝手に終わらせる。
勝手に始めて勝手に終わらせる。
ああ…
1ヶ月ぶりだったのに、もうおしまい。
次はいつかも分からないのに。
泣きたい気分。
あなたは、あなたのぬくもりは、もうない。
私はさっき剥ぎ取られた服みたいに、もう意味はないんです。
キュッと唇をかみしめる。
あなたはもう眠ってしまいそう
でもすぐに起き上がってまたシャワーへ。
私はひとり、ベッドの上。
またやっちゃった…
愛されてもないのに、求められて受け止めてしまう。
ただ、抱きしめてほしいだけなのに。
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