第8話
雪斗くんにとって私は、電話一本で呼び出し可能な女で。
私は雪斗くんが好きで、ただ会いたくて。
はじまりの合図の前も、事が終わった後も、もう一切私に触れることはない雪斗くん。
友達の話を聞くあたり、カップルのみなさんはイチャイチャということをされるそうで。
私は、したことがなくてわからなかったけれど、とてもうらやましかった。
お互いが好きだと、そんなスペシャルなことがあるんだ、と。
デート、なんてもちろんしたこともなくて。
毎回このラブホテル。
あ、でも一度だけコンビニに寄りたいからって雪斗くんが言って、私買うものないのについて行く!て言っちゃって。
そしたら雪斗くん笑いながら手繋いでくれてコンビニを一緒に歩きました。
死ぬほど嬉しかった、そんなことが。
あと、雪斗くんが事が終わったあと少しだけ眠っちゃって、寝顔見てたら好きが溢れてきて、はじまりの合図じゃない唇合わせをやりたくなって…
こっそり、したの。
ちっとも起きなかったけど、私ひとりで顔真っ赤にして心の中できゃーーー!て言った。
雪斗くんは、私に告白してくれなかったし、私はそんな勇気ないし、きっと彼女がいるか、私はただのなんとかフレンド?なんだと思う。
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