第4話

先に入っていくあなたのうしろ、その背中に飛びついてもいいですか?てもんもんとする。



あぁー…

1ヶ月ぶりにやっと会えた。

もう会えないかと思ってた。




こっちを振り返ってくれたりしないかなあ






なんて、私の思いは届かず。


スタスタと中へ入り、ソファに腰掛けてた。






ゆっくりと私も歩き出して、隣にちょこんと座ってみる。




気にもとめず、リモコン手に取ってTVつけてる。



お仕事終わりだし、疲れてるよね。

それでも今日、私を呼んでくれたんだよね。




TVを見る横顔をそっと見つめた。



綺麗な顔立ち

少し、ねむそう?




突然、バチっと視線が絡んでビクッとする。






"シャワーする?"





胸がドキドキしてたのに、その言葉で我に返った。



してきたから、どうぞ。



そう伝えたら重い腰を上げてバスルームへ向かった。





久しぶりだねって頬を撫でてくれてもいいじゃない。

髪きったの?とか、今日の服かわいいね、とか。


嘘でも、言ってくれていいじゃない。



それなのに、シャワーの話なんて。

聞きたくない。


どうせ、会う時は仕事の合間か仕事終わりだし会ってられるのなんて2時間ちょっと。



シャワーしてる時間も惜しいの、私は。

あなたにはわからないだろうけど。


だから、会う寸前、シャワーは済ませてます。




1ヶ月ぶりだから、髪型も髪色も変わったのに気付いてないのか興味ないのか。


今日の服、ううん、毎回会う時にはおろしたてのお洋服を着る。


でも一度だって、褒めてくれたことない。

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