第3話
いつもの道を突然逆方向へ行くこともなく、信号待ちでキスをされたりもせず、いつもの道でいつもの行き先へ到着する。
1ヶ月ぶりだったから、ほんとはいつもより更に期待してたのに。
がっかりしすぎてしまった。
"行きたくない?"
好きでたまらない、優しい声。
心配そうに私を見つめる目。
どうしてそんな顔をするの?
私が心配だからじゃないのに。
着た目的が無くなる心配、のくせに。
ぼーっとしてた!
にこりと笑ってみせれば、あなたは安堵の表情。
車を降りたら手を繋いでくれるから、胸がどきんっとなってまんまとご機嫌にされた。
"好きなの、いいよ"
いつものセリフ。
でもちっとも嬉しくない。
アクセサリーやバッグ、何かプレゼントを選ぶのとは訳が違う。
悲しいだけ。
だから私はいつも1番安いものを選ぶ。
ささやかな反抗。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます