第2話

免許も車もない私だから、あなたが迎えにきてくれる。


それなのに、待ち合わせ時間より10分は前に家の前、あなたを待つ。


この時間が好きだったりする。



ーーーだって、恋人みたい。










"着いたら連絡するのに"



車に乗り込めば、あったかくてあなたの香りでいっぱい。



着いたって連絡するからそのとき家を出たらいいのにって。



だって、待ちきれないんだもん。

会いたくてたまらなかったんだよ。



ごめんなさい、と小さく笑った。






車からの景色は、いつも同じ。


行き先は、いつも同じ。





わかりきってるくせにもう何度目かわからない同じ道を、今日はここから曲がったりして?!なんて淡い淡い期待をする。





信号待ちのたびに、静かな空間でひとり、ドキドキする。



キス、されちゃったりして…?

なんてね。

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