3
「狼には気をつけなさいって、あれほど言ったのに……」
「仕方ないさ。あの娘は誰かに似て狼を手懐けるのが上手いからなぁ?」
「あら。それって誰の事かしら」
「ハハッ、わかっているだろうに。既に俺を手懐けているのが誰なのか……」
深い深い森の奥。
猟師がいないこの森で。
「なぁ、そうだろう?俺の可愛い赤ずきん」
「可愛いなんて…それは昔の話でしょう?ねぇ、怖い怖いオオカミさん」
「それも昔の話さ。だって、今はもう……」
愛する二人のお伽は禁忌を紡いだ。
end
オオカミモリノアカズキン 冬生まれ @snowbirthday
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