(3)知らない
「…………知りたい」
その言葉は何か狭い語彙の
「そう。やっぱりあなたは私の特別ではないのね」
そして少女から続く言葉に温度がなかった。
「時間の浪費よね」
少女は、名前を名乗ることもなく立ち上がった。
「意味が……わか」
「ごめんね、私には時間がないの」
ふわっとした動きで
僕は顔を背けた。その様子を見たからか、少女はため息をもらす。息が襟髪にかかる。
「私、勉強に疲れちゃった」
またその言葉を理解できなかった。脈絡が、文脈がない。
「でもそうね、もしあなたが私をどうにかしたいというなら、私は抵抗できないでしょう。そして人に言うことはないと誓えるわ」
「私を、どうしたい」
少女はイヤな問いを僕に投げた。
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