第48話 カリュオスの暴虐
ダンジョン内の魔物は、肉体、そして術式を破壊されようとも復活する。
だとしても、魔物たちは殺されるために生まれてくるのではない。しかし今、『剣聖村』付近の階層地帯では、無数の魔物たちの無惨な死骸の山がひたすらに作られていた。
それらは全てカリュオスと名のつく『剣聖魔』の仕業。
そしてカリュオスの狂気はダンジョンの深層まで到達し、同じ剣聖魔であるオータルとブルジブの二人がかりでも敵わない魔物を意図も容易く壊していたのだ。
魔物の名は「クリスタルサーペント」。骨の全てがダイヤモンドのような輝きと強度を誇る魔物である。
「こりゃいいぜ、俺様の新たな武器とするか!」
カリュオスはクリスタルサーペントの巨大な背骨を引っこ抜き、天高く持ち上げる。
「魔物の肉もそろそろ飽きたぜ。久しぶりに村に戻るとするか」
カリュオスの狂気が村へと向けられる。
カリュオスの復活を知っている者は、ビヨンドと剣聖魔たちのみ。
どうにか対処しようと試みているようだが、再び『剣聖村』が悲劇を迎えようとしているなど、事情を知らぬ者たちは夢にも思っていないだろう。
しかし必ず思い出す———五年前のあの悲劇を。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます