第34話

「はい、終わりー」


背中の薬を塗り終えた藍人が私の肩をぽん、と叩く。


「ありがとう。…ごめんね、毎回毎回」


「全然いーよー。早く治るといーね?」


「早く寝よー」


にっこり笑って言ってくれた藍人には本当に申し訳ないと思ってる。

こんな気持ち悪いもの、誰も見たくないと思うから。


「りーね?」


「、ん?」


「寝るよ」


「ん」


利人に呼ばれたことで、私は真っ黒な世界に入らずに済んだ。

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